ソーシャルメディアは人とつながりを保つことができる反面、それが裏目に出ることもある。
これまでソーシャルメディアと職場は、境界線が曖昧で、トラブルを引き起こしてきた。Facebookで上司と「友達」になり、仕事以外の時間に何をしているか、知るべきだろうか?
それは果たして、職場での毎日の関係において健全なことだろうか?あなたも上司も私生活が尊重されるべきではなかろうか?それとも一緒に仕事をしている間柄なら、許されて然るべきなのだろうか?
イントラネットプラットフォームプロバイダのIgloo Softwareの調査によると、社員の3分の2はソーシャルメディアで同僚とつながっており、また、多くの人が過去にそれが問題に発展したことがあると答えている。調査は、職場におけるソーシャルメディアの利用状況を調査するために、フルタイムの社員1000人を対象に実施した。
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調査の結果、同僚とFacebookでつながっている回答者(91%)はLinkedIn(41%)を上回り、上司とソーシャルメディアでつながるのを避けるという回答者はわずか10%だったことが分かった。
また、職場以外で付き合いのある同僚ならつながるという回答者は、10人のうち7人に達した。
ソーシャルメディアへの投稿が「つながっている同僚にどう思われるか気にする」と回答した人はほぼ半数(46%)で、同僚とつながっていることを理由に「投稿するのをやめたことがある」という回答者は55%にのぼった。
回答者の1人は、ある社員が同僚との不愉快な経験について書き込みをしたら、当の本人に読まれてしまったことがあるとコメントしている。また別の社員は、ソーシャルメディアにパーティーで夜遊びする様子の写真を投稿したところ、憤慨した同僚から友達解除されたと述べている。
それにもかかわらず、ソーシャルメディア上で同僚と気まずい思いをする場面が減る様子はない。回答者の大多数によると、ソーシャルメディアで気まずくなる最大の理由は政治の話題である。
ソーシャルメディアでつながっている同僚や社員と、居心地の悪い思いをした経験について尋ねると、以下のような回答が寄せられた。
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「政党についてだった。政治問題に関する言い争いだ」「政治について白熱した議論になってしまった」「政治的な信念。トランプを散々叩いていたので、米国人なら彼を大統領として受け入れるべきだと言った。それ以上、話すことはないとね」。
そもそも、ソーシャルメディアで常に友人や同僚とつながっていることで、幸福度が増すのだろうか?
学生ローン企業のCometが1100人の米国人に尋ねたところ、FacebookやInstagramなどのソーシャルアプリを使用した後、「人生観が暗くなった」と回答したミレニアル世代は20%にのぼった。
また悲しいことに、自分の同輩と比べて、ソーシャルスキルや交流関係が劣っていると感じる米国人もすべての年齢層でほぼ3分の1に達している。
ニュースフィードを絶えずチェックするのは、本人が自覚する以上に悪影響がありそうだ。
今やゲーム依存症(ゲーム障害)は、世界保健機関(WHO)によって精神疾患の一種だと認定されるまでに至った。
仮想的なオンラインの世界で友達や同僚とつながることから一歩離れ、現実の世界に目を向ける時が来ているのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。