Unisysが初めて実施した複数の国を対象とした調査によると、技術レベルが遅れている企業では、従業員のストレスや離職希望が技術リーダーと言われる企業よりも高いことが分かった。
調査は米国、英国など12カ国(日本は含まれていない)の1万2000人を対象に行った。回答に文化の差異はあるものの、全体として技術リーダーと思われている企業と遅れている企業との間では、従業員に大きなギャップがあることが分かった。
Unisysのマネージドワークプレイスサービス担当グローバルバイスプレジデントのMickey Davis氏は、「新たにワークプレイスのデジタルデバイドが起こっている。調査では、技術的に遅れている企業の従業員がフラストレーションを抱え、離職を考えていることが明らかになった。そうした企業は大きなリスクを負っている」と述べている。
米国の結果をみると、古い技術を使っている企業では、自分の仕事を行うにあたってストレスを感じている人の割合は技術の進んだ企業に比べ750%も高く、会社を辞めることを考えている人の割合は450%も高くなることが分かった。ある従業員が辞めた後、代わりの人を雇うまでの期間は平均9カ月と言われている。
カリフォルニア大学バークレー校で経済学教授でCenter for Work, Technology and Societyのディレクターを務めるClaire Brown氏は次のように述べている。「従業員に最新の端末を供給するだけでは不十分で、必要なトレーニング、サポート、エンゲージメントも提供しなければならない。米国の従業員は最新のガジェットを欲しいとは思っていない。仕事を支援する技術を欲しいと思っており、必要なツールが得られないと不満を感じる」。
一方で、長年IT投資を行っていても、経済性を示すデータからは生産性の向上を見出せないというパラドックスがあるとBrown氏は指摘する。
「われわれは生産性や質の改善の測定を得意としていない。コストの測定は上手だが、生産性の向上を探してもデータには現れていない」(Brown氏)。
Unisysの調査は、従業員は会社の技術投資とトレーニングに重要性を感じており、これにより仕事へのモチベーションや積極性が高まり、ストレスが減少することが分かった。企業は人工知能(AI)やIoTなどの新しい技術を実装することで潜在的に生産性を改善できるだけでなく、従業員のやる気が高まるため、得られるものは多いと言える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。