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セキュリティの懸念高まる産業用制御機器

工場の現場に定着するIoTを展開--平田機工とIIJが「Cognitive Factory」発表

國谷武史 (編集部)

2018-07-04 11:58

 生産機器メーカーの平田機工とインターネットイニシアティブ(IIJ)は7月3日、工場向けIoTソリューション「Cognitive Factory」を9月1日から提供すると発表した。両社は、まだIoTが工場の現場にほとんど導入されていないと指摘し、その状況の解決を図りたいとしている。

 平田機工は、自動車や半導体、家電製品などの生産設備システムの開発や構築を手掛け、グローバルセットメーカーなどの顧客を多数抱える。工場の現場では、IoT技術やセンシングデータなどの分析・活用を通じて設備の効率的な予防保全や生産性の向上などを目指す「スマートファクトリー」化が提唱されている。しかし同社グローバル事業本部 IoTソリューショングループ 次長の神田橋嗣充氏によると、現状で工場へのIoT導入は大手企業に限られ、大多数の中堅・中小企業では導入がほとんど進んでいないという。

 主な理由は、(1)IoTを通じたビッグデータ活用などの取り組みが中堅・中小企業にとっては大きなテーマとなること、(2)工場の現場にインターネットが普及していないこと――の2つがあるという。そこで、現場課題などに豊富な知見を持つ平田機工と通信事業者でもあるIIJが協業することにより、これらの課題を解決しながら工場のIoT化を着実に進めていく方法を提供したいとしている。

 Cognitive Factoryは、4つのステップでIoT化を図るサービスメニューを展開する。9月1日から提供するのは、ステップ1の「つながる」とステップ2の「まとめる」をテーマにしたメニュー。なお、ステップ3では「データ活用」、ステップ4では「自動最適化」をテーマに掲げ、2019年以降の提供を目標に商品開発を進めている。

工場でのIoT活用に向けて、まずは現場作業を改善する仕組みを提供する
工場でのIoT活用に向けて、まずは現場作業を改善する仕組みを提供する

 ステップ1の「つながる」では、ビデオ通話やチャットボット、ファイル共有などのコミュニケーションと、簡易センサ(オプションで高機能センサも用意)を利用したデータ収集の機能を提供する。コミュニケーションにはMicrosoft Office 365を活用。また、Microsoft TeamsをベースにしたチャットボットをIIJが開発し、オプションで提供する。例えば、現場担当者がチャットボットに話かけるだけで、必要な資料データを配信するような利用スタイルを構想しているという。

ステップ1では、IoTデータを収集していくための環境の構築も支援する
ステップ1では、IoTデータを収集していくための環境の構築も支援する

 センサを利用したデータ収集は、温度や不良品カウント数などのデータから現状の把握、分析、原因の仮説検証、改善までのライフサイクルに基づく取り組みの初期段階に当たる。まずは簡易センサでのデータ収集の効果を確認し、事業用途の耐久性や計測精度を持つ高機能センサを利用した取り組みにステップアップできるよう支援していく。

 ステップ2の「まとめる」では、上記のセンサなどで収集したデータや設備から取得するデータをクラウド上に集約し、生産やトレーサビリティ、品質、設備、保全などの管理業務で利用できるようにして工場の可視化を行う。ステップ3以降では、機械学習技術を用いた収集データの分析結果を予防保全などに活用することで、設備の安定稼働などに必要な作業の省力化につなげられるようにする。

ステップ3以降で提供する機械学習によるデータ分析なども開発を進める
ステップ3以降で提供する機械学習によるデータ分析なども開発を進める

 データ収集などに伴う通信では、IIJのSIMを利用することで認証や通信経路の暗号化、接続先の制御を行い、セキュリティを確保する。クラウド環境には「IIJ GIO」のほか、ユーザーの希望に応じたサービスを利用でき、IIJが環境の構築を担当する。

データのセキュリティ対策ではIIJの通信サービスを利用する
データのセキュリティ対策ではIIJの通信サービスを利用する

 協業について神田橋氏は、日本の製造業の経営環境に即したIoTサービスを確立する上で、通信に知見のあるIIJと組むことに意義があると話す。また、IIJ プロフェッショナルサービス第二本部長の山口新二氏は、まず国内での「スマートファクトリー」のノウハウを習得し、実績を獲得することを通じて、国内製造業のグローバル展開を支援したいと表明した。

 事業目標では、2019年3月末までに10件の案件獲得を見込み、当面は5億円規模の売上を目指すという。

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