小西医療器とサトーヘルスケアは7月3日、医療機関の手術用診療材料を RFID で全品管理するシステムを構築し、大阪国際がんセンターで6月下旬より試験導入が開始されたと発表した。
同センターに常時ストックされる約5万点の診療材料のすべてにRFIDを貼り付け、従来の手書きによる管理を電子データに置き換える。これにより、期限管理の精度と作業効率を大きく高めることが可能になるという。手術では平均1000の診材が準備されるが、従来は症例ごとの診材の準備および、使用実績の記録や在庫管理は2人1組の手書きによって行われていた。
同センターにおけるRFID導入で期待される効果として、手術前検品が、2人による80分の作業から1人による10分の作業になり、棚卸しは従来の25時間が1時間になるとされている。また、回収時の迅速な作業や、手術室への行き来回数などを取得し診材の「鮮度」管理も可能になる。
RFIDラベルを貼り付けた診療材料
大阪国際がんセンターにおける診材管理
現在、小西医療器は同センターで、医療現場専用の物流システムであるSPDの事業者として常駐し、各種診療材料(診材)、医薬品、検査試薬、消耗品の管理を行っている。またサトーヘルスケアが提供するRFIDは、すでにカテーテル管理や検体管理向けで医療機関の導入事例がある。
両社は同システムについて、2019年3月までに3件の受注を目指している。