オーストラリア政府とIBMは、新たに5年契約を締結した。IBMはこの10億豪ドル(約820億円)規模の契約により、直ちに同政府全体の技術パートナーになる。
本契約は、連邦政府によるIT契約としては過去最大。IBMはハードウェア、ソフトウェア、クラウドベースのソリューションを提供するほか、量子コンピューティング、サイバーセキュリティ、研究などに関する共同革新プログラムを通じて、同政府のデジタル変革を支援する。
この10億豪ドル相当の契約により、すべての政府機関はIBMのサービスを利用できる見通しだ。しかし、オーストラリア国税庁、内務省、国防省など、すでにIBMに多額の投資を行っている政府機関の場合、本契約によって「現行の契約内容が改善され、今後5年間にわたり技術プロファイルを自主的かつ柔軟に変更できるようになる」(IBM)という。
同社によれば、この契約で人工知能(AI)、ブロックチェーン、量子コンピューティングといった新興技術を容易かつ効率的に利用できるほか、コスト効率も向上する。
IBMと政府機関のデジタル変革局(Digital Transformation Agency:DTA) は、「市民サービス向けの新技術導入を優先する」ために、政府および業界関係者からなるグループを招集する。
共同革新プログラムに関しては、IBM Australiaの研究開発チームが、メルボルンで研究チームを立ち上げ、政府内で利用するブロックチェーン、AI、量子コンピューティングのアプリケーションに注力する。
また他にも、専門のコンピュータエンジニアと開発者をゴールドコーストとキャンベラに配置し、データ保護向けのサイバーセキュリティソリューションや、行政サービスにおけるスーパーコンピュータの応用などに取り組むと、IBMは説明する。
さらに「デジタル能力構築」のためのツールやリソースを提供し、政府がデジタルリテラシーの向上など、職場で変化するニーズに対応できるよう支援する。
IBM Australia and New Zealandのマネージングディレクターを務めるDavid La Rose氏によると、この契約は40年以上、オーストラリアの多数の政府組織にベンダーとして選ばれてきた同社の実績によるもので、IBMとオーストラリア政府、その政府機関とのパートナーシップを「非常に明白に示している」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。