インシュアテックで変わる保険業界

グローバルと日本におけるInsurTechスタートアップの状況

後藤康成(iChain COO)

2018-07-23 07:00

世界のインシュアテック・マーケット

 グローバルの保険マーケットはどれぐらいかというと、2016年の名目ベースの保険料は4兆7320億米ドル(日本円で約520兆円)であり、前年度2.9%増加している超巨大市場である。

 このような中で、2017年グローバルでのインシュアテック・スタートアップへの資金調達は200超のスタートアップが実施し、資金調達額は2420億円に上る。


 スタートアップへの資金調達の63%は北米を中心に行われており、ヨーロッパやアジアは20%前後とまだまだ比率としては少ないのが現状だ。米国は社会保障制度(健康保険制度)が完全に整備されていないことから、個人の健康リスクに対する意識が高いことが一因だと思われる。


日本の保険マーケット

 日本は保険大国である。生保、損保そして少額短期保険事業者の保険料を単純合算するだけでも42兆円を超える市場を形成しており、かんぽ生命や共済などを加えると51兆円に登ると見られる。さらには年間の契約数(更新含む)はなんと1億4000万件を超えている。


 さらに、日本のインシュアテックスタートアップに目を向けると顕在化しているスタートアップは10社にも満たないと考える。日本のインシュアテックスタートアップがまだまだ少ない要因は、日本の保険事業者は自社内でのインシュアテック事業を進めていることが一因であろう。

 第一生命は東京とシリコンバレーに「Dai-ichi Life Innovation Lab Tokyo」を開設しインシュアテック領域に対して本格的に取り組み始めている。また、日本生命保険が、米IBMの人工知能(AI)型コンピュータ「ワトソン」を利用して保険の加入や見直しの必要な顧客を抽出するシステムの導入を検討しておる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]