決済時の認証情報を盗むマルウェア、「Google Play」上のアプリで検出

Danny Palmer (ZDNet UK) 翻訳校正: 編集部

2018-07-12 11:38

 セキュリティ研究者らによると、インターネットバンキングを狙うトロイの木馬型マルウェアを投下する複数のアプリが「Google Play」ストアに紛れ込んでいることが明らかになった。

 IBM X-Forceの研究者が6月に攻撃を発見した。この攻撃では、銀行アプリや電子ウォレット、決済カードのログイン認証情報を盗むためのマルウェア「BankBot Anubis」が投下される。このペイロードが隠されていたアプリは、オンラインショッピングやリアルタイムの株価チェックをうたうものなど多岐にわたる。

 攻撃を発見した研究者によると、さまざまなアプリを合法的に見せかけていることを考えると「攻撃者側が大規模なリソースを投資していることが示唆される」という。

 攻撃者はGoogle Playのセキュリティコントロールによる検知を逃れるため、頻繁に同マルウェアの機能を変更し、コードをわずかに修正していたという。研究者は、アップデートの頻度の高さも、このマルウェアが豊富なリソースを持つ犯罪集団によって開発されていることを示す兆候だとしている。

 Anubisがデバイスに投下されると、このマルウェアは「Google Play Protect」と名乗るアプリに偽装し、アクセシビリティへの権限を求める。マルウェア作者が期待しているのは、ユーザーがGoogleという名前を見て、その要請が合法的なものであると信用してくれることだ。

キャプション
権限を求めるマルウェアのメッセージ
提供:IBM X-Force

 しかし、ユーザーが権限を与えてしまうと、このマルウェアはユーザーのキー入力操作を記録できるようになり、バンキングアプリや決済サイトの認証情報を盗むことができる。Anubisは、ユーザーのディスプレイのスクリーンショットを撮影することも可能だ。

 この攻撃キャンペーンは特にトルコのユーザーを標的にしているようだが、Anubis内の設定を見ると、米国や英国、オーストラリア、イスラエル、日本など、世界中の国々のユーザーから認証情報を盗むために使用できることが分かる。

 少なくとも1万人がこれらの悪意あるアプリをダウンロードしたと考えられているが、そのうち何人がマルウェアに感染したのかは不明だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]