画像からノイズを除去して鮮明にする深層学習技術、NVIDIAらが発表

Chris Duckett (ZDNet.com.au) 翻訳校正: 編集部

2018-07-12 12:02

 映画や刑事ドラマに登場するコンピュータシステムが持つ重要な機能の1つに、ぼやけた画像を拡大しつつ、欠落している情報を補完するというものがある。NVIDIAとマサチューセッツ工科大学(MIT)、ヘルシンキのアールト大学の共同研究により、現実がフィクションの世界に少し近づいた。

 今回発表された論文「Noise2Noise: Learning Image Restoration without Clean Data」(Noise2Noise:ノイズのない元データを必要としない画像復元のための学習)によると、同論文内で著者らが「Noise2Noise」と呼んでいるシステムは、低照度環境下での写真や天体写真、MRI画像からノイズを除去したり、写真の上にかぶせられたテキストを、元の写真を必要とすることなく除去したりする目的で利用できる可能性があるという。

画像からテキストやノイズを除去するプロセス
画像からテキストを除去したケース(上)とノイズを除去したケース(下)
提供:同論文

 論文には「ノイズのない信号を参照することなく、元の信号を復元するという学習が可能であり、ノイズのない原本を用いた学習に近い、あるいは同じパフォーマンスを達成できる」と記されている。

 また、「(この信号復元モデルは)ノイズのない原本を利用する最先端手法とまったく同じ訓練手法を用いて、同等の結果を導き出せる。しかも、訓練時間やパフォーマンスに、感知できるレベルの悪影響をもたらさない場合もしばしばある」とも記されている。

 ただ「もちろん難点もある。入力データに存在していない特徴を捉えるような学習はできない。しかしそれは、ノイズのない原本を対象にした訓練でも同じことだ」とも記されている。

 NVIDIAによると、このシステムの訓練には「NVIDIA Tesla P100」GPUとディープラーニング(深層学習)フレームワーク「TensorFlow」を使用。画像データベース「ImageNet」の5万件の画像で訓練したという。

 この研究成果は今週、スウェーデンのストックホルムで開催中のカンファレンス「International Conference on Machine Learning」で発表される。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    【マンガ解説】まだ間に合う、失敗しない「電子帳簿保存法」「インボイス制度」への対応方法

  2. ビジネスアプリケーション

    きちんと理解できていますか?いまさら聞けないインボイス制度の教科書

  3. 運用管理

    AWS、GCP、Azureを中心としたクラウドネイティブ環境における5つのセキュリティ強化策

  4. セキュリティ

    マンガでわかる―Webサイトからの情報搾取を狙うサイバー攻撃「SQLインジェクション」、どう防ぐ?

  5. セキュリティ

    緊急事態発生時にセキュリティを維持するための8つの戦略と危機管理計画チェックリスト

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]