女性が増えると利益も増える--最新研究が示す多様性と利益の関係

Sean Hollister (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2018-07-15 08:00

 Facebookのリーダーシップは白人男性が握り、Googleでも男性社員が大半を占めている。この両社は、ダイバーシティ(多様性)に取り組むIT企業のごく一部に過ぎない。Harvard Business Review(HBR)が発表した新たなレポートによると、企業は多様性を受け入れることで、さまざまな視点や意見を持てるようになるだけでなく、もっと大きな恩恵を享受し得るという。

 HBRでは、米国のベンチャーキャピタル(VC)を対象に、数千人のベンチャーキャピタリストと数万件の投資案件を精査した。そこから、女性のパートナーをより多く採用するVCは、そうでない場合と比べ、明らかに利益性が高いということが分かった。

 HBRからの引用は下記の通り。

 ベンチャーキャピタルが女性パートナーの雇用構成を10%増加すると、全体の投資回収率が年間平均で1.5%上昇し、エグジットで利益を確定できるケースは9.7%増となった(全てのVC投資のうち、わずか28.8%しかエグジットで利益を得られていないことを考えると、目覚ましい数字だ)。

 統計学的に考えるなら、これは因果関係よりも相関関係にあると考えられよう。つまり、多様性と利益性の両方について説明が付く、別の要因が存在する可能性がある。例えば、女性を重用するVCは投資や雇用に対しての考え方がより柔軟かもしれない。

 企業の根底は人材が支えている。そう考えれば、女性は利益を高めていると言ってもいいだろう。

 HBRによると、現在のVC業界は、柔軟性という点で非常に閉鎖的だという。VC投資家における女性の構成比はわずか8%で、ヒスパニック系は2%、黒人は1%未満となっている。MBA(経営学修士)を有するVC投資家の45%が、Harvard Business Schoolをはじめとするビジネススクール3校のいずれかの出身だという(Harvardの出身者は25%)。

 とはいうものの、企業買収や新規株式公開(IPO)の成功率は、投資パートナー同士の出身校が共通だと11.5%低くなり、民族性が共通すると26.4%低くなる、とHBRは指摘する。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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