産業用ロボットの販売台数が、前年比31%増という驚異的な伸びを見せた。
これは、ロボット産業の業界団体である国際ロボット連盟が発表した統計だ。発表された数字は、事例を扱った過去のレポートや、オートメーション製品を扱う北米の業界団体Association for Advancing Automation(A3)の発表した統計とも軌を一にしている。

成長率がもっとも高かったのは中国で、販売台数は前年比で58%増えた。一方、米国における販売台数の伸びは控えめで、わずか6%だった。
もっとも大きな伸びを見せた分野は、金属工業、電気・エレクトロニクス産業、(そしてやや意外なことに)食品産業だ。
ファストフード業界ではオートメーションの利用が増えており、業界全体の賃金上昇を背景として、DominoやMiso Roboticsなどの企業が、材料の加工や配達の自動化を進めている。
過去の予想に反して、自動車産業のオートメーションに対する需要も引き続き堅調だった。同業界は、1950年代から産業のオートメーション化をけん引する役割を果たしてきている。
自動車産業における世界販売台数は、21%増加した。
国際ロボット連盟の津田純嗣会長は、「産業用ロボットの増加は、引き続き世界的に驚くべきペースで進んでいる」と述べている。「デジタル化、単純化、人間とロボットの協調などの重要なトレンドが今後の流れの中心になり、開発の急速な進展を後押しするだろう」
成長を後押しした要因には価格の下落もあるが、協働ロボットに対するアクセスしやすさや使いやすさが改善していることも大きな要因となっている。
さまざまな産業で利用されている卓上モデルの多くが、直感的なセットアップが可能で、作業を物理的に示すことで簡単にプログラム出来るようになった。
特定のタスクを前提としない、柔軟に利用できる産業用ロボットの販売台数は、2018年以降も増え続けると予想されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。