海外コメンタリー

ウィンブルドンの裏側で--IBMのAIやビッグデータがもたらしたファン体験の進化 - (page 4)

Mark Samuels (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-07-27 06:30

 Watson関係の開発は新たな領域に入っており、これには動画の処理も含まれる。ウィンブルドン大会では、数時間におよぶ試合の映像を、わずか2分間のハイライト映像に縮める方法を模索している。Boyden氏は、従来の動画編集プロセスには大きな時間と労力がかかるが、AIによって新たな可能性が生まれていると述べている。

 「われわれは、試合の重要なポイントを抜き出すために、WISのあらゆるデータと統計を、聴衆の歓声や、選手の興奮度などのトリガーとなる情報と組み合わせた」と同氏は言う。

 「Watsonに試合の転機になる瞬間の見分け方を教えることで、コグニティブコンピューティングを使って、試合が終了するとすぐに、編集された2分間の映像パッケージを作成できるようになった。映像にはストーリーが必要であるため、ある選手が勝ったのに、Watsonが選んだ場面が、その選手がポイントを落としたところばかりではまずい」

 幸いなことに、AIは大会期間中も成長している。そして、ウィンブルドン大会や公式メディアは、高品質なハイライト映像に素早くアクセスできるようになっている。Boyden氏は、このシステムが成功しても、人間の映像編集者が不要になったわけではないと述べている。

 「この技術は映像に関してできることを増やした。これは映像編集者が、映像を選択するのに使えるツールでもある」と同氏は言う。「クリッピングの適切さが向上するほど、ハイライト映像のパッケージを素早く作ることができる。現在では、自動化されたプロセス全体が約5分間となっている」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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