Google Cloud Next 2018

グーグルはモダンなエンタープライズベンダー--小売業で広がるAWS回避の動き

末岡洋子 2018年07月27日 12時45分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 Googleは米国時間7月24日、カリフォルニア州サンフランシスコでクラウド関連の年次イベント「Google Cloud Next 2018」を開催した。初日の基調講演では、クラウドサービス「Google Cloud」を率いるDiane Greene氏が、「Googleはモダンなエンタープライズベンダーだ」と述べ、企業顧客にアピールした。

“エンタープライズベンダーになれない”を払拭

 Google Cloud Nextは、2015年から毎年各地で開催されている。サンフランシスコがメインイベントで、2018年は2万5000人の登録があった。

 Googleは現在、パブリッククラウドの領域でAmazon Web Services(AWS)とMicrosoftを追う立場にある。Google Cloudの最高経営責任者(CEO)に就任して2年となるGreene氏は、事業の将来を楽観している。「Googleのミッションは世界の情報を組織化すること。Google Cloudのミッションは、顧客の情報を組織化して“スーパーチャージ”すること」と述べる。

Google CloudのCEOであるDiane Greene氏。VMwareの創業者としても知られる
Google CloudのCEOであるDiane Greene氏。VMwareの創業者としても知られる

 「(2年前のGoogle Nextで)Googleはエンタープライズベンダーではないと言われた、エンタープライズベンダーになるには10年かかるとも言われた。だが現在、われわれはGartnerのMagic Quadrantで3つの領域においてリーダーに位置付けられている」とGreene氏は胸を張る。

 Googleは2018年、Magic QuadrantのCloud Infrastructure as a Serviceでリーダーの評価を獲得した。もちろん、AWSとMicrosoftを追う立場にあることに変わりはない。それでも、Google Cloudが企業に選ばれるチャンスは十分にある、とGreene氏は見ている。ゲーム開発ツール大手のUnityは6月、Google Cloudの採用を発表。これはAWSからの乗り換えだったという。

 「なぜGoogleが選ばれるのか。Googleのビジネスは情報。効率よく情報を取り出し、インテリジェンスに変える。これこそ全ての企業が求めていること。情報はビジネスを加速し、スーパーチャージする。これはGoogleにしかできないことだ」

 「クラウド」という言葉は、Googleの元CEOで親会社Aplphabetの元会長であるEric Schmidt氏(現在はAplphabetの技術顧問)が初めて使ったとされている。その点では、Googleこそ元祖クラウドカンパニーだ。「Googleは世界で最も高度で、最大規模のクラウドを構築している。スタジアムのような大きさで、カーボンニュートラルの巨大データセンターを多数保有しており、海底には超高速光ファイバケーブルを敷いている」(Greene氏)

Google CEOのSundar Pichai氏も登場。「Google自身もAIで再構築している。Google Maps、Gmail、Androidの全てで“AIファースト”のアプローチを取る」という。「われわれが数年掛かりで進めてきた高度な研究を、全員が利用できるようにする」と約束した
Google CEOのSundar Pichai氏も登場。「Google自身もAIで再構築している。Google Maps、Gmail、Androidの全てで“AIファースト”のアプローチを取る」という。「われわれが数年掛かりで進めてきた高度な研究を、全員が利用できるようにする」と約束した

 それだけでなく、機械学習向け専用チップ「Tensor Processing Units(TPU)」、機械学習モデルを自動生成する「AutoML」、データ分析ツールの「BigQuery」、コンテナ管理ツールの「Kubernetes」といった技術を紹介した。ソフトウェアの開発と実装という点について、Greene氏は「Google Cloudを最高のクラウドにしたい」と意気込む。GoogleはKubernetesなどのソフトウェアをオープンソースで公開している。オープンソースのメリットは「高価なOSライセンスやベンダーロックインを回避できること」と同氏は説明する。Googleがオープンソースとして公開するプロジェクトの数は2000以上に達しているという。

 生産性ツールとしては、Gmailを含む「G Suite」を持つ。Chrome OSを搭載する「Chromebook」も企業導入が進んでおり、この1年でエンタープライズ分野の売り上げは175%成長したという。「Windows」と「Office」を有するMicrosoftとは、この領域でも戦いを挑み続けている。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
月刊 Windows 10移行の心・技・体
ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
セキュリティインシデント対応の現場
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft Inspire
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]