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シェアリングエコノミーの衝撃

シェアリングエコノミーの衝撃(4):重要なのは取引形態でなく最新技術の活用

松岡功

2018-08-01 10:30

 「シェアリングエコノミーの衝撃」連載の第4回は、内閣府が先頃発表した国内シェアリングエコノミーの経済効果の試算に関する報告書からの抜粋と、KPMGコンサルティングのキーパーソンの見方を紹介する。

シェアリングエコノミーの経済効果は5000億円規模

 内閣府が7月25日に発表した「シェアリング・エコノミー等新分野の経済活動の計測に関する調査研究」報告書では、シェアリングエコノミーの国内での実態や経済効果の試算を行っている。本稿ではまずこの報告書から、国内シェアリングエコノミーの「業態の分類」「分類ごとの実態」「経済効果の試算」を示した3つの表を紹介しておきたい。

 表1が、業態の分類を示したものだ。各分野のシェアリングについて、既存の産業分類との関連を踏まえ、業態を類型化している。ご覧の通り、民泊などの「スペース」、ライドシェア(車の相乗り)などの「移動」、中古品販売などの「モノ」、クラウドソーシングなどの「スキル・時間」、クラウドファンディングなどの「カネ」の5つに分けられている。

表1:国内シェアリングエコノミーの業態の分類(出典:内閣府の「シェアリング・エコノミー等新分野の経済活動の計測に関する調査研究」報告書)
表1:国内シェアリングエコノミーの業態の分類(出典:内閣府の「シェアリング・エコノミー等新分野の経済活動の計測に関する調査研究」報告書)

 表2が、分類ごとの実態を示したものだ。プラットフォーム側の経済活動の実態、および個人のサービスの利用や活用の実態が記されている。報告書ではポイントとして、「一部のシェアリングではサービス提供側への法人の参入がある」、および「個人によるサービス提供でも中間投入が発生しているケースがある」ことを挙げている。なお、移動のシェア(ライドシェア)に関しては、白タク規制の下、市場規模がまだ小規模のため調査対象から除外しているという。

表2:国内シェアリングエコノミーの分類ごとの実態(出典:内閣府の「シェアリング・エコノミー等新分野の経済活動の計測に関する調査研究」報告書)
表2:国内シェアリングエコノミーの分類ごとの実態(出典:内閣府の「シェアリング・エコノミー等新分野の経済活動の計測に関する調査研究」報告書)

 表3が、経済効果を試算したものだ。それによると、2016年のGDP(国内総生産)にシェアリングエコノミーを計上したとすると、950億~1350億円の押し上げ効果があると推計した。表3でいうと、左から2列目に相当する。なお、同年のシェアリングエコノミー全体の生産額は4700億~5250億円と推計。すなわち、シェアリングエコノミーの経済効果は5000億円規模である。表2の左から2列目には、このうちGDPに未計上で、今後の推計方法の見直しによってGDP上乗せ効果が期待できる業態ごとの生産額が記されている。

表3:国内シェアリングエコノミーの経済効果の試算(2016年、出典:内閣府の「シェアリング・エコノミー等新分野の経済活動の計測に関する調査研究」報告書)
表3:国内シェアリングエコノミーの経済効果の試算(2016年、出典:内閣府の「シェアリング・エコノミー等新分野の経済活動の計測に関する調査研究」報告書)

 ちなみに、内閣府が国内シェアリングエコノミーの経済効果の試算に関する報告書を発表したのは今回が初めて。注目度が高まるシェアリングエコノミーだが、一方でGDPに対しての影響が不透明だったことから、今後さらに詳細な推計方法を検討し、将来的にシェアリングエコノミーの経済効果をGDPに反映させたい考えだ。

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