エンジニア常駐先の決定方法
エンジニア本人の希望と会社の思惑に相違があるなど、企業戦略と個人見解で食い違いは発生するのが本音です。各社どのように対応しているのでしょうか。「会社のビジョンと個人のビジョンが一致しているか」「企業の中長期目標や経営方針が明示されているか」などが挙げられます。
- 本人の希望はヒアリングするが、最終的には会社優先でプロジェクトにアサイン
最終的には会社方針に合わせるという意見が多かったです。「会社の意向に沿ったエンジニアを採用している」「全社ミーティングでビジョンを共有している」という企業も複数ありました。結局は代表者の意向(社長決済)が強く働くという、中小企業でよく聞く意見も出ました。 - 早期確定したプロジェクトにアサイン
システムエンジニアリングサービス(SES)のプロジェクトでは、さまざまな理由から途中でプロジェクトが終了するケースも珍しくありません。急いで次のプロジェクトを探さないと、エンジニアの手が空いてしまうこともあります。そうした際は、早期確定したプロジェクトを優先することがあります。 - 営業がエンジニアに技術動向を説明し常駐先を決定
少数ですがこんな意見もありました。エンジニアはプロジェクトにアサインされると忙しくなり、最新技術に触れたり情報交換をしたりする機会が少なくなってしまいます。それを営業側でフォローし、次のプロジェクトで新しい技術に触れられるように支援することもあるようです。 - 既存/新規顧客へのアプローチを考慮し常駐先を決定
まさに営業という意見ですが、エンジニア自身の良いところを第三者目線で会話できるのも、この業界の営業職の強みでしょう。既存顧客はもちろんですが、新規顧客へのアプローチでは、特に自社エンジニアのアピール活動が必須となります。新たに取引を開始するには、自社エンジニアの力を借りないといけないのも事実。普段からエンジニアとコミュニケーションを図り、新規顧客を開拓するときには、タイミングを合わせたアサインが必須になるのえではないでしょうか。
その他にも、エンジニア本人から常駐先を変えてほしいというリクエストがあった場合はどうしているという質問が出ました。その理由にもよりますが、ガイドラインをエンジニアとの間で事前に取り交わしておくという意見がありました。
ただ、プロジェクトでの評価が高いエンジニアの場合、契約途中の変更を受け入れるとクライアントにマイナスのイメージとなる可能性があるため、営業側では最善の配慮が必要になるでしょう。
今回の議題は2つとも共通する点が多く、人間系の対応は重要だと改めて気付かされました。ビジネスの視点を持ちながらも、相手を思いやった日々の活動の一つひとつが、全てにつながるということが見えたのではないでしょうか。
また、エンジニアという技術系人材をどのように支援し、いかに信頼を得るかが今後の業界のカギになるのは間違いないでしょう。