IBMと物流大手のMaerskによると、企業、貨物船業者、港湾関係者、税関、銀行、物流会社など、94を超える企業や組織が、両社の国際貿易プラットフォーム「TradeLens」に参画中、もしくは加わる計画だという。
両社は2017年に、輸送とサプライチェーンの効率化を目指すための提携を発表しており、2018年1月には、ブロックチェーン技術を応用する国際貿易プラットフォームの開設に向けたベンチャー事業で提携すると発表した。TradeLensは現在、大がかりなベータプログラムとして稼働中だが、2018年内の一般提供を予定している。さらなる導入の拡大に向け、プロセスの改善を行っている。
IBMによると、TradeLensの導入規模は拡大しており、同プラットフォームは1億5400万件の出荷イベントを処理している。
さらに、世界各地の20以上の港湾運送業者などがTradeLensを活用している。ブロックチェーン技術を利用して、契約、通関、その他のデータの機密性を保持したリアルタイムでのやり取りで活用されている。MaerskとIBMは、プラットフォームに貿易書類モジュールも追加している。
両社は12カ月間にわたって実施したベータプログラムで、書類に関するトラブルを減らすと同時に、輸送時間を短縮できたと述べている。
IBMのブロックチェーン担当ゼネラルマネジャーであるMarie Wieck氏によると、TradeLensによって明らかになったことと進捗状況は、以下の通りである。
- 最大のメリットは輸送時間を40%短縮できることである。
- プライバシーとガバナンスのモデルに準拠できるような方法で、イベント、書類、出荷データの集約を行うには、EDIシステムは不十分である。
- TradeLensは当初、ペーパーレス取引を目指していたが、IBMとMaerskは紙の書類とデータを同時に追跡しなければならなかった。取引先のシステムの成熟度により、紙の書類をスキャンして、システムに取り込む必要があった。
- まだ規準を改善中である。陸上輸送と海上輸送では規準が異なる。
- TradeLensは現在も「Early Adopter Program」から利用可能だ。またopenshipping.orgなどの標準化団体と協力して、APIの標準準拠に取り組んでいる。
TradeLensはクラウドベースだ。企業が貿易エコシステムでどのような役割を担っているかに基づき、サービスベースで提供される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。