人々が人工知能(AI)を使う用途は、自宅と職場では大きな違いがあるようだ。世の中を見渡すと、私生活で何らかのAIを使っている人の割合はほぼ4分の3に達しているものの、人事関係の仕事でAIを配備しているのはわずか6%、職場で何らかのAIを使っている人は現在のところ4人に1人(24%)しかいないという。
職場におけるAI革命という考えと、「ロボットが職を奪う」という可能性については、しばらく前から議論されているが、人々はAIに仕事を奪われることは心配しておらず、むしろこの最新のイノベーションを職場で活用できるようにしたいと考えているようだ。
上述した数値は、OracleとFuture Workplaceによって最近実施された調査の結果だ。この調査は職場におけるAIの導入とその利用実態に関する理解を深めるために、米国における1320人の人事部門の責任者と従業員を対象に実施したものだ。
同調査では、AIの利点をどのように捉えているのかや、AIの導入を阻む障壁、AIを活用しない場合に業務にもたらされる影響を考察している。
この調査によると、人々は職場でのAI導入を受け入れる準備ができており、手作業を自動化するにとどまらない利点を理解しているという。ただ、組織がAIの活用にそれほど積極的ではないため、残念なことに生産性の低下と、潜在的な雇用喪失につながっているという。
回答者は全員、AIが組織にプラスの影響をもたらすと述べており、AIの最大のメリットを尋ねられた人事関係の責任者と従業員はいずれも、AIが生産性を向上させるだろうと答えている。実際、職場における従業員の93%はロボットからの指示を信頼すると述べている。
人々がAIを受け入れる準備を整えており、従業員がその可能性を明らかに見出しているにもかかわらず、AIの採用にこういったギャップがあるのは何故だろうか?
従業員らはAIによって、業務の効率向上(59%)や、意思決定の迅速化(50%)、コストの大幅削減(45%)、顧客エクスペリエンスの向上(40%)、従業員エクスペリエンスの強化(37%)が実現すると確信している。
人事部門の責任者らもAIによって、学習と進歩(27%)や、パフォーマンス管理(26%)、待遇や給与(18%)、採用と福利厚生(13%)にプラスの影響がもたらされると回答している。