日本マイクロソフトは8月20日、品川本社で社員の家族を招いた「マイクロソフト ファミリーデー 2018」を開催した。7回目を数える同イベントに約1460人が訪れた。社長就任後3回目の開催を迎えた代表取締役社長 平野拓也氏は、「毎年ご家族が来社されて、お子さまが楽しそうにお父さん・お母さんの職場をご覧になり、嬉しそうな様子を見せる姿を目にするたび、私自身も喜びを感じる」と、社員家族の来訪を歓迎した。

気軽に社員との記念撮影に応じる日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏
昨今は、親御さんの職場に対する認知や信頼度を高めるため、多くの企業が社員の家族を招くファミリーデーを開催している。日本マイクロソフトは2011年から例年(2016年は台風上陸に伴い中止)開催してきたが、当日は酷暑も落ち着き、2017年の約1400人(約400家族)を上回る約1460人(約440家族)が品川本社を訪れた。例年と異なり、地方からの参加者に対する配慮や、午前中の混雑時を避けたいという家族の意見を踏まえて、午前・午後と2部構成で実施された。
今回設けたプログラムは22種類だという。筆者は午前中のみの取材にとどまったが、日本マイクロソフトのフィランソロピー(社会貢献活動)に関する説明や、LGBTなど多様な性を象徴するレインボーグッズを作成するコーナーが盛況だった。さらに、キーボードのタイピングスピードを測定する高速タイピングチャレンジをマイクロソフト デベロップメントの関係者が実施し、社員向けに日本語入力に関するインサイダーの募集を行っていたのが印象的だった。

執行役員常務 クラウド&ソリューション事業本部長の手島主税氏とお子さんもマイクラの体験会に参加
一通りプログラムを回ってみたが、やはりMicrosoft Hololensを実際に体験する「Hololens映像体験」や、Minecraft for Educationでプログラミング教育の一端を学べる「教育版マインクラフトにチャレンジ」が大盛況で、あっという間に予約枠が埋まった。前者は時間の都合で関係者から話を聞けなかったが、若い女性が装着しているMicrosoft Hololensを通じた絵図を理解し、適切なアドバイスを投げ掛けていた同社社員の様子は何とも不思議な光景である。後者は100人弱が着席可能なセミナールームに親御さんとお子さんが所狭しと着席し、Minecraft for Educationをプレイ。2009年のリリースから10年近くを数えるが、低学年層を中心に今だ根強い人気を持つことを改めて知らされた。

Microsof HoloLensの使い方を懇切丁寧に説明する日本マイクロソフトの高橋忍氏
ファミリーデーに参加した日本マイクロソフト社員は、家族を職場に招くことで、仕事に対する理解を深められるとイベントに好意的なコメントを寄せた。また、そのお子さんは、「お父さんの会社は遠い」と父親が日々通勤する苦労をその身で感じていたという。なお、2017年までは日本マイクロソフト社員用IDカードを擬似的に作成するプログラムを実施していたが、今年は事前に申し込むことで、お子さんの疑似IDカードを用意していた。

Remix 3Dから取得した3Dオブジェクトと実写真を複合してプリントアウトするプログラムに参加する平野氏
ファミリーデー開催について平野氏は、「おかげで日本法人の業績もよく、四半期連続で予算も達成できた。世の中は急速に変革しているが、社員の皆さんが頑張ってくれている。その社員を支えている家族の皆さんにお礼を申し上げたい」と感謝の意を伝えた。
日本マイクロソフトは2017年9月から、出産休業や育児休業、養子縁組を行った際の育児休業、深刻な病気や介護が必要な家族をサポートする看護・介護休業を一定期間「有給」として認める「ファミリーフレンドリー休業制度」も導入している。同社によればこの制度は好評で、新たにお子さんを授かった男性社員の6割が利用しているという。政府が推進する働き方改革に先だって同社は、“社員の働き方”の改善に取り組んできた。来年のファミリーデーでも、その一端を垣間見ることができるだろう。

業務執行役員・エバンジェリストの西脇資哲氏による「最新テクノロジーが創る私たちの未来」。普段も小学生を相手にプレゼンする機会が多いという