IDC Japanは8月23日、国内ページボリューム(プリント機器からの出力ページ数の総計)と国内プリント関連ハードウェア売上額の動向を発表した。これによると、2017年の国内ページボリュームは前年比成長率で0.5%減の3283億ページ、プリント関連ハードウェアの売上額は同1.3%減の7887億円だった。
2017年の国内ページボリュームの内訳は、レーザー機器からの出力が同0.2%減の2935億ページ、インクジェット機器からの出力が同2.3%減の347億ページだった。IDC Japanでは今後、国内ページボリュームは緩やかに減少を続けると見ており、2017~2022年の年平均成長率(CAGR)をマイナス1.0%、2022年のページボリュームを3125億ページと予測している。
また、セグメント別のCAGRは、レーザー機器ページボリュームが同0.6%減、インクジェット機器ページボリュームが同4.8%減と予測。モバイル/クラウドの普及によるページボリュームへのマイナス影響は限定的であるものの、各種申込書や政府提出書類などの文書の電子化、業務効率化に向けたワークフローの自動化などの複合要因によってオフィスのページボリュームは緩やかに減少すると見込む。
国内ページボリューム予測、2013年~2022年(出典:IDC Japan)
※レーザー機器は、カラー(A4) 1~69ppm、モノクロ(A4) 1~90ppm
※2017年までは実績、2018年以降は予測
一方、2017年の国内プリント関連ハードウェア売上額の内訳は、レーザー機器が前年比成長率で2.7%減の6799億円、インクジェット機器が同9.6%増の988億円、スキャナーが同5.1%減の101億円だった。なお、売上額はA4カラープリント速度1~69ppm、A4モノクロプリント速度1~90ppmのレーザー複合機(MFP)およびプリンタを集計。インクジェット機器はHigh Speed Inkjetを除いている。
IDC Japanでは、国内プリント関連ハードウェア売上額の2017~2022年のCAGRをマイナス0.9%、2022年の売上額を7556億円と予測している。セグメント別のCAGRは、レーザー機器が同マイナス0.4%、インクジェット機器が同マイナス3.6%、スキャナーが同マイナス5.3%と予測。マイナス成長予測の主な理由として、ページボリュームと同様に、ワークフローの自動化等によって事務処理のためのプリントやスキャンが減少すると考えられることを挙げている。
これにより、国内ページボリュームとプリント関連ハードウェア市場においてゆるやかなマイナス成長を予測する。また、モバイルやクラウドなどの第3のプラットフォームの普及とそれに伴うビジネスモデルの転換(デジタル変革)、デジタルネイティブと呼ばれる若い世代への世代交代などによって、プリント環境をとりまく状況はますます厳しくなると指摘している。