米ラスベガスで開催中の「VMworld 2018」において、Dell TechnologiesのMichael Dell会長 兼 最高経営責任者(CEO)が、VMwareのPat Gelsinger CEOとともに、報道関係者の質問に答え、両社との関係強化を改めて強調した。
Dellは、2015年10月にEMCの買収を発表し、2016年9月には670億ドル(約7兆4000億円)で買収を完了している。この中には、EMCが保有していたVMwareの主要株式が含まれており、VMwareはDellの傘下の中で独立性を保ちながら事業を継続している。
Gelsinger氏は、先ごろプライベートでキリマンジャロに登頂したことに触れながら、これをDellとの関係に例え、「キリマンジャロの登頂は6000フィートのところから登り始めたが、DellとVMwareとの最初の関係はそれと同じ高さだった。だが、今では両社の関係は1万フィート辺りの高さのところにいる。こうした協業はこれから10年以上にわたって、さらに強化されることになるだろう」などとした。
またDell氏は、「Dellのあらゆる技術や製品において、VMwareとの統合が進んでいる。例えば、『PKS』や『VxRack』『VxRail』『Workspace ONE』といった製品が、その代表的なものになる。新たなデータ保護アプライアンスもVMwareのテクノロジがベースになっている。テクニカルレベルで一緒にプランニングを行うといったことが、今までにないぐらいに進んでいる状況にある。こうした技術や製品の統合は、顧客からの要望によるものである」と説明。
Gelsinger氏は、VMworld 2018において、DellのクライアントPCなどに、Workspace Oneをあらかじめインストールすることで、すぐに仕事を始められるPC環境を管理できる「Dell Provisioning for Workspace One」を発表したことを例に挙げながら、「Dellの工場から出荷する段階で、Workspace Oneを統合しており、こうしたクライアント領域における協業も進んでいる」と述べた。
さらに、Dell氏は、「Dellの直近四半期の売上高は、前年同期比17%増と高い伸張率を遂げたが、ここにはVMwareの貢献も大きく、さらにPivotal、Dell EMCの貢献も大きい。売り上げにおけるシナジーも出ている」などと語った。
Dell TechnologiesのMichael Dell会長 兼 CEO(左)と、VMwareのPat Gelsinger CEO(右)