海外コメンタリー

多くのIT管理者が注目する「AIOps」--運用の複雑さ解消に期待

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-09-07 06:30

 「AIOps」(Artificial Intelligence for IT Operations:IT運用のための人工知能)は「Ops(Operation:運用)」を何かと組み合わせて作った新語の1つにすぎないかもしれないが、多くのITマネージャーの関心を集めているようだ。最近の調査で、ITマネージャーの大部分(68%)がAIOpsを既に扱っている、または検討していることが分かった。

 OpsRampが最近発表した調査報告書によると、AIOpsはITマネージャーが「(膨大なアラートの中から)重要でないノイズと意味のあるシグナルを区別するのに役立つ」可能性があるという。同調査では、ほぼ4分の3(73%)がシステムのアラートに関してより有意義な洞察を得るために、AIOpsの機能を利用していることが分かった。

 それでは、AIOpsはどのような位置付けの技術なのだろうか。Forbesの最近の記事で、Janakiram MSV氏はAIOpsの潜在的なユースケースについて、以下のように概説した。

  • キャパシティプランニング:「エンタープライズのワークロードがクラウドに移行する中で、クラウドプロバイダーは新しい構成を追加し続けており、複雑さは増す一方だ。AIを利用すれば、ワークロードをサーバと仮想マシンの適切な構成にマッピングすることが可能だ。ピーク時のワークロードを実行して、AIOpsは適切なインスタンスファミリのタイプ、ストレージの選択、ネットワーク構成、さらにはストレージのIOスループットを推奨してもらうこともできる」
  • リソース活用:「AIOpsでは、管理者はインフラストラクチャが過去のデータに基づいてインテリジェントに調整する予測スケーリングを利用する。自らを再構成する方法は、現在の利用パターンと予想される利用パターンに基づいて学習される」
  • ストレージ管理:「AIをストレージ運用に活用することで、ディスクのキャリブレーションや再構成といった日常的なタスクを自動化できる。予測分析を通して、先を見越したボリューム追加が行われ、ストレージ容量は自動的に調整される。AIはストレージ管理に関連する基本的な運用と高度な運用の両方に対応することが可能だ」
  • 異常検知:「AIOpsは、実際のソースをピンポイントで特定することによって、これらの異常を正確に浮き彫りにすることができる。これにより、ITチームは効率的な根本原因分析(Root-Cause-Analysis)をほぼリアルタイムで実行することが可能だ」
  • 脅威の検知と分析:「高度な機械学習アルゴリズムを使用して、インフラストラクチャ内の予期せぬ活動や不正かもしれない活動、悪意のある活動を特定することができる」。OpsRampの調査によると、回答者の58%は、AIOpsが複雑な環境で膨大なアラートの中から重要なシグナルを抽出するのに効果を発揮するだろうと述べたという。過半数(51%)の回答者は、全てのインシデントの最大半数が何度も繰り返されると述べた。一方、回答者の48%は現在のアラートの量について、うるさすぎる、多すぎる、またはその両方であると表現した。

 OpsRampの調査では、AIOpsが手作業の排除や削除に重要であることも分かった。回答者の少なくとも74%は、AIOpsを利用して退屈な作業を自動化したいと考えている。さらに、回答者の66%は、AIOpsが根本原因分析の改善に効果的だと述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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