AI(人工知能)と機械学習に関心がある企業は多く、これらは高度なスキルを要求することからクラウドベースのサービスを利用するというのは理にかなっている。だが、現実にはまだそうではないようだ。
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世界中から1万1000人のデータサイエンティストを対象に、O'Reillyのアナリスト、Ben Lorica氏とPaco Nathan氏が実施した調査によると、機械学習で先行している企業はデータサイエンティストやデータエンジニアなどの適切なスキルの獲得や開発に大きく投資しているという。これまでのところ、機械学習システムはクラウドプロバイダーからのサービスなどを利用するよりも、社内で開発されたものが利用される傾向があるという。
調査レポートでは、「機械学習モデルの運用環境での配備に関して経験のある企業は、データサイエンティスト、データエンジニア、機械学習エンジニア、深層学習エンジニアなどの新しい役職名を使っている傾向がある」としており、「回答者の約半分が、機械学習モデルは社内のデータサイエンスチームが構築したと述べている。この数字は、組織が経験を積むに連れて大きく増加する」とされている。
機械学習について調査し始めたばかりという組織に所属している人のうち、わずか12%が外部のコンサルタントを利用していると述べている。最も先進的な企業に属する人の4人に3人(73%)は、社内のデータサイエンスチームに頼っているという。クラウドプロバイダーが提供する「AutoML」サービスを現在利用している企業に所属している回答者はわずか3%となっている。
クラウドベースの機械学習は、予算やスキルに制約のある企業に可能性をもたらすだろうか。David Linthicum氏は、Amazon Web Services(AWS)やGoogle、Microsoftなどのクラウド事業者から安定した機械学習サービスが提供されていると述べている。「これらのシステムは低価格で運用できる」とし、「1時間に平均数ドルを払うだけで、自社独自の機械学習アプリケーションを動かすことができる」と述べている。これに低価格なデータストレージサービス、ソフトウェア開発キット、APIなどが加わる。唯一のマイナス点は、これらのサービスはクラウド事業者にしばられ、ハイブリッドなデータ環境を導入するのは複雑になりかねない点だという。
クラウドで提供されるさらなる機械学習サービスが見受けられるようになるには、数カ月または数年を要するかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。