グーグル「BigQuery」で「Ethereum」ブロックチェーンデータを解析可能に

ZDNET Japan Staff

2018-09-04 13:43

 Googleは米国時間8月30日、「Ethereum」ブロックチェーンのデータを同社のビッグデータ分析プラットフォーム「Google BigQuery」で解析できるようにしたことをブログ記事で発表した。同社は2月に、「Bitcoin」のデータセットをBigQueryでの分析用に公開済みである。

 EthereumとBitcoinのシステムアーキテクチャは、改ざん不能なトランザクションを記録するのが主たる役割という点で類似している。しかし、EthereumとBitcoinのデータセットには顕著な違いもある。例えば、Ethereumの場合、スマートコントラクトによって作成、管理したトークンを使用して、価値の転送の大半を行なっている。

 同社は「Google Cloud」上でブロックチェーンデータを公開した理由について、Ethereumのピアツーピアソフトウエアには、取引ステータスやウォレット残高の確認などの機能向けのAPIがあるものの、そのブロックチェーンに保存されているすべての情報に、容易にアクセスできるAPIエンドポイントがないと述べている。また、ブロックチェーンデータの総体を、閲覧できるAPIエンドポイントがないとしている。

 BigQueryによって可視化できるようになれば、Ethereumのシステムが許容範囲を超えそうでアップグレードが必要かどうかといった、Ethereumアーキテクチャ自体の改善を優先したり、ウォレットの再調整をどのくらい迅速に行えるかといった貸借対照表を調整したり、ビジネスの意思決定を行う上で役立つと述べている。

 BigQueryは、新たにAPIを実装することなく、この種の分析に対応できる強力なOLAP機能を備えている。同社は、Ethereumブロックチェーンを、Google Cloudの「Parity」を実行しているコンピュータと同期したり、トークン転送など、スマートコントラクトの取引の結果を含む、Ethereumブロックチェーンの元帳データを毎日抽出したりといったことが可能なソフトウェアシステムをGoogle Cloud上に構築した。

 Ethereumのブロックチェーンデータは、現在BigQueryで公開中である。履歴データはすべて「ethereum_blockchain」データセットに保存されており、毎日更新される。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. ビジネスアプリケーション

    ITSMに取り組むすべての人へ、概要からツールによる実践まで解説、「ITSMクイックスタートガイド」

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. ビジネスアプリケーション

    ITSMの手法を組織全体に拡張、エンタープライズサービス管理(ESM)がもたらすメリット

  5. セキュリティ

    身元確認は撮影方式からICチップ読取方式へ、公的個人認証(JPKI)が必要な理由とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]