インド最古の銀行から15億円盗まれる--「22カ国からの世界規模の攻撃」の手口

Charlie Osborne (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部 2018年09月12日 06時30分

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 設立112年のインド最古のCosmos Bankがサイバー攻撃の犠牲になり、何百万ドルもの被害に遭ったことが8月に表面化した。

 攻撃は現地時間8月10日~13日に、2回に分けて行われたとされている。Hindustan Timesによると、マルウェアを使い、同行のATMサーバから顧客のクレジットカード情報やSWIFTトランザクション情報が盗まれたという。

 攻撃の第1波では、複数国からの取引により約1150万ドル(約12億7000万円)が盗まれた。同じ日の第2波では、デビットカードを使ってインド全土で200万ドル(約2億2000万円)近くが引き出された。

 盗まれた資金はその後、不正なSWIFT取引によって香港に送金されている。

 Cosmos BankのMilind Kale会長は、このサイバー攻撃が「22カ国」から仕掛けられた世界規模の攻撃だったと述べている。同銀行は、不正取引の多くはカナダが発生源だったと非難している。

 また別の記事によると、攻撃者は銀行システムに侵入しようとした最初の試みに失敗したが、アラートが何も発せられなかったため、銀行は不審な動きに対する防御策を講じていなかったという。

 顧客の口座から引き出された資金はない。

 Securonix Threat Researchチームのセキュリティ研究者は27日、この銀行強盗を行うために使用されたと思われる技術的な手口について概説し、北朝鮮が背後で糸を引いているかもしれないと指摘した

 研究者らが、スピアフィッシング攻撃あるいはリモートコントロールインターフェースへの不正侵入を受けたと思われる、銀行システムの「patient zero(患者第1号をさす医療分野の用語。病気の出所や感染拡大の防止策を検討するうえで重視される。その意味が転じて、ITの世界でも最初にマルウェアに感染したマシンなどを指す)」、すなわち最初に侵入されたコンピュータを調査したところ、攻撃者は「マルウェアに感染させた複数のターゲット」を使い、銀行の内部インフラとATMインフラに侵入した推測される。

 マルウェアとは別に、攻撃者は、偽のATM/POSシステムを立ち上げた。攻撃の第1段階を実行後、マルウェアは取引の検証を避けるために、バックエンドのコアバンギングシステム(CBS)と本物のATM/POSシステム間の接続を切断した可能性がある。

 Securonixによると、攻撃者はこの接続を絶った後、悪意のあるATM/POSシステムを使って、標的とする口座の残高を改ざんし、ATMで不正引き出しを行ったようだ。

 Securonixは、盗難の全期間に28カ国で450枚のクローンした偽造デビットカードを使い、国内取引が2849件、国際取引が1万2000件行われたと述べている。

 「攻撃者はおそらく、カード所有者と端末からのトランザクション要求(TRQ)メッセージに対して、偽のトランザクション応答(TRE)メッセージを送信できたのだろう。その結果、侵害されたATM/POSシステムからバックエンドのCBSに、通常であれば必要なISO 8583メッセージ(カード所有者が支払いカードを使うことで開始される電子取引に関する情報交換のための国際標準規格)が転送されず、不正な引き出しを可能にして、銀行のバックエンドの詐欺検出機能に影響を与えたのだろう」と、研究者らは語る。

 200万ドルが盗まれた攻撃の第2波では、攻撃者グループがCosmos BankのSWIFT環境で水平方向に攻撃を仕掛けた可能性がある。研究者らによれば、香港の恒生銀行(Hang Seng Bank)にあるトレーダーの口座に3件の不正送金が行われた。

 この攻撃は、国家の支援を受けたグループで、北朝鮮与党との関与が疑われているLazarusが背後にあると思われる。このグループは過去にも、ランサムウェア攻撃「WannaCry」や、インドネシアと韓国の金融機関に大打撃を与えた攻撃と関連付けられている。

 「Cosmos Bankに対する攻撃は、巧妙で、綿密な計画のもと、高度に組織化されており、銀行のインフラに標的を絞っている。国際刑事警察機構(インターポール)が推奨する、銀行とATMに対する攻撃緩和ガイダンスに基づいた、3つの主要な防御層を効果的にすり抜けている」と、Securonixは述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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