ローコードプラットフォームは、デジタル企業を3つの意味で前進させる。
- ローコード開発プラットフォームには、事業部門の要求を満たすためにかかる時間を大きく短縮できる可能性がある。既存の利用事例のデータによれば、ローコード開発はソフトウェアの開発速度を最大で従来の10倍まで加速できる可能性がある。開発のスピードが上がれば、設計に集中する余裕も得られる。
- ローコード開発プラットフォームは、シャドーITの力をマイナスではなくプラスの方向に生かすことができる。アプリのラインアップに存在する穴に対応する必要があるときに、テクノロジに詳しい事業部門のエキスパートが自ら問題を解決しようとして、メリットよりもデメリットを増やしてしまう場合があることは、以前からよく知られていた。ローコード開発は、そういったITに関する不正規の取り組みを、管理されたプラットフォームに乗せることでプラスの働きに変えると同時に、ソフトウェア開発能力を拡大する際のガードレールとしての役割も果たす。
- ローコード開発プラットフォームは、業務プロセスの自動化に重要な役割を果たす。デジタル変革を進める際に問題になるのは、顧客体験を提供する上で必要な膨大な業務をどうやって自動化するかだ。業務プロセスに関する機能が充実したローコード開発プラットフォームを利用すれば、この種のプロジェクトを加速し、データや業務プロセスをどう扱うべきかを熟知している、事業部門のエキスパートの力を生かすことができる。
ローコード開発が広がっても、コーディングがなくなることはない。またこれは、ソフトウェアの問題をすべて解決してくれる魔法の解決策でもない。ローコード開発を連続性のない孤立した成功で終わらせないためには、ガバナンスのためのポリシーに従って、注意深く戦略を立てる必要があるだろう。

--Forresterプリンシパルアナリスト、バイスプレジデントJohn R. Rymer
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。