SNSからデータを収集して分析するソーシャルリスニングのソリューションを提供するベンダーは数多い。こういったベンダーの選択や、各ベンダーの特徴の比較は容易ではない場合もある。多くのベンダーは、同じソーシャルサイト群を対象にし、似たようなソリューションを用いてデータを導き出している。そのような中、特定のプラットフォームに絞り込むにあたって、どのように評価すればよいのだろうか?
マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置き、調査およびアドバイザリ業務を手がけるForrester Researchは「The Forrester Wave: Social Listening Platforms, Q3 2018」(The Forrester Wave: ソーシャルリスニング用プラットフォーム2018年第3四半期版)レポートを発表した。同レポートでは、主なベンダーを10社洗い出し、それぞれのプラットフォームを比較している。
Forresterは、製品適合性や、カスタマーサクセス、クライアント要求といった観点に基づき、ベンダーを選択するための調査を実施し、40種類の基準を通じて最も重要だと考えられるソーシャルリスニング用プラットフォームを洗い出し、それらをレビューした。
その後、各ベンダーに対して製品や顧客、価格に関する戦略について尋ね、製品のデモを求めるとともに、クライアントの顧客3社から話を聞いた。
評価対象となったのは、BrandwatchとCrimson Hexagon、Digimind、Linkfluence、NetBase、Sprinklr、Synthesio、Sysomos、Talkwalker、Zignal Labs.の10社のベンダーだ。
ソーシャルリスニング用プラットフォームはすべて、非常によく似ているため、企業は各プラットフォーム間の主な違いを識別しづらいという難題を抱えている。
これらベンダーはそれぞれ、セルフサービス型のエンドツーエンドのソーシャルリスニング技術を提供しており、ソーシャルリスニング分野において確固たる売上実績を残すとともに、100社以上の企業をクライアントに抱えている。
これらソーシャルリスニングプラットフォームはすべて、同様のソーシャルデータソースとAPIに基づいており、いずれのベンダーも検索やオーディエンス分析、API、ダッシュボードといった同種の製品を提供している。また、各ベンダーは機械学習(ML)や人工知能(AI)を使ったソリューションを自社製品に組み込むことに力を入れている。
同レポートではSprinklrとNetBase、Synthesioという3社をリーダーとして挙げている。そのうえで、Sprinklrについて「パブリッシングやカスタマーケア、広告を含む40のモジュールを擁する6つのクラウドにデータを供給する、中核的なリスニング製品を提供している」と記している。
またNetBaseについては「『NetBase Instant Search』と『NetBase Pro』『NetBase Enterprise』『Voice of the Customer』という製品を通じて、ソーシャルな顧客データと非ソーシャルな顧客データを組み合わせている」と記している。
そしてSynthesioについては「インスタント検索用の『FlashDash』や、オーディエンス分析用の『Profiler』、ベンチマーク用の『Page Karma』、プレゼンテーション用の『Bunkr』という、主要機能に対する要求を確実に満たせるプラットフォームを提供している」と記している。
同レポートは、Crimson HexagonやDigimind、Talkwalker、Sysomos、Brandwatchも強力なプレイヤーとして挙げており、LinkfluenceとZignal Labs.も競争に加わる「コンテンダー(挑戦者)」としている。
Forresterは、何らかの意思決定を行う前に、さらに踏み込んだ調査を実施するよう推奨している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。