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内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

案件特性によって変わるシステム化のアプローチ

内山悟志 (ITRエグゼクティブ・アナリスト)

2018-09-12 07:00

 デジタル技術を活用した抜本的な業務改革や新規事業の創出が期待されています。そうしたシステムを構築するには、従来の進め方と異なるアプローチが求められます。これは、IT部門とユーザー部門の関係や役割にも影響が及ぶと考えられます。

多様化する案件特性

 従来のシステム開発は、一般的に事業部門などのユーザーがシステム化の要望を出すことから始まります。IT部門は、その要望を費用対効果(ROI)などの観点から精査し、開発するということになったら、要求・要件をユーザー部門から聞き取るなどして要件定義を行います。システム化要件が固まったら設計・開発・テストなどの工程を経て、ユーザーに完成したシステムを提供するという、いわゆるウォーターフォール型のアプローチが一般的な進め方です。

 もちろん、この際、システム化要件をRFP(提案要請書)に明記した上で、ベンダーに提案を求め、設計・開発・テストなどの実務を外部委託するという選択肢もあります。こうした進め方は、既存事業を遂行するための業務について、手作業や紙ベースで行っていたものをシステム化する場合や、従来のシステムを改修・改善するといった場合においては有効なアプローチでした。

 それは、手作業であれ、一部システム化されている場合であれ、遂行するべき業務プロセスが明確であり、システムに求められる機能や業務フローを想定できれば、システム化の要件がしっかりと定義できるからです。しかし、昨今ではそのような従来型のアプローチが通用しない案件が増えています。

 例えば、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)や人工知能(AI)などのデジタル技術を適用することで自動化や無人化を実現するなどして、業務プロセスを抜本的に変革したり、映像による監視や画像認識などによって、これまで成しえなかったような業務を実現したりする案件がこれに当たります。こうした案件は、そもそもユーザー部門が問題に気付いていなかったり、実現できると思っていなかったりするため、ユーザーがシステム化の要件を明確に提示できないことが多いためです。

 また、デジタル技術を活用したイノベーションや新規ビジネスの創出が求められる場面も増えています。この場合もまた別のアプローチが求められます。新規ビジネスの創出の場合は、そもそも現状の業務が存在しませんので、初期段階に業務要件は決められませんし、ビジネスとシステムを同時にデザインしていかなければなりません。また、デジタル技術を活用した生産革新やビジネスモデル革新といったイノベーションは、進め方が確立しているわけでもなく、成功が約束されているわけでもないため、実装と試用を繰り替えし、試行錯誤しながら進めるようなアプローチが求められます。

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