世界中の企業が無駄にする開発者のリソースは、年間で合計3000億ドル(約33兆円)にも及ぶという。オンライン決済プラットフォームのStripeが開発者とCレベルの幹部を相手に行った調査から明らかになった。
使う言語や地域にもよるが開発者のニーズは高く、年収は10万ドル(約1100万円)以上に及ぶこともある。だがStripeが米国、英国、フランス、ドイツ、シンガポールの1000人以上の開発者、1000人以上のCレベル幹部に行った調査から、平均して開発者の労働時間の半分がデバッグやコードの修正などに費やされていることがわかった。
開発者の平均労働時間は週当たり41時間で、品質の良くないコードやデバッグ、リファクタリング、コード修正に費やす時間は17.3時間とのことだ。
レポートでは、世界に1800万人の開発者がおり、1人がGDPに貢献する金額は年5万1000ドル(約570万円)なので、世界規模では合計9180億ドル(約102兆円)の貢献があるとし、開発者の時間の31%が無駄になっているという今回の調査結果から、このネガティブなインパクトが世界のGDPに年3000億ドル(約33兆円)程度の影響を与えている、と試算している。
逆に、もし開発者が作業時間をより効率よく使えれば、世界のGDPは10年で3兆ドル(約330兆円)増加できるとStripeは述べている。
開発者の不足は大きな問題ではなく、企業が既存のソフトウェア開発の才能を効率よく使えることが重要だ、というのがStripeの主張だ。
開発者が生産性の最大の障害と報告しているのは、レガシーシステムのメンテナンス、リーダーによるプロジェクトの優先順位付け、カスタム技術の構築だ。開発者はまた、作業負荷の大きさや、優先順位の変更についても、やる気にネガティブな影響を与えるとしている。
一方で、Cレベルの幹部は、技術企業が自分たちのビジネスに対する主要な競合上の脅威となっていると述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。