前回、見込み客(リード)を獲得する方法について紹介しました。今回は、獲得したリードの選別と、その後の接触について考えていきましょう。第1回で紹介したMAツールの活用フェーズで言うところの、選別ステージと接触ステージに当たります。
リード、MQL、SQLの選別
獲得ステージでは、リード獲得のときに選別で必要となる情報を収集することを紹介しました。また、今まで一般的だったリードがファネル(漏斗)のように育っていくケースよりも、リードからすぐに営業が接触する価値のある見込み客「SQL(Sales Qualified Lead)」、あるいは営業が商談を進めている見込み客「Opportunity」になる人がいることも紹介しました。そういう人が多いのであれば、新しいペルソナとして定義しておきましょう。
さて、リードの判別ですが、獲得した時点でペルソナに一致していれば製品やサービスに関心の高い見込み客「MQL(Marketing Qualified Lead)」になります。では、その人がSQLになったかどうかをどこで判別すべきでしょうか。一つの考え方が、見ているコンテンツの内容とその頻度です。
例えば、MQLの人が直近1カ月間で頻繁に自社のウェブサイトを訪問している、あるいは、料金表のページや導入についてのFAQを見るなど、購買を検討する人が取る行動をたどっているのであれば、積極的に営業活動を行えるフェーズ(SQL)と見なせます。オンラインでの行動を追跡、記録した上でリードの選別をするのは、MAツールならではです。
なお、行動をスコア化して自動的に判別する方法もありますが、スコアリングの定義はある程度のデータ量をもとに仮説を立ててから検討することをオススメします。MAツールの導入初期にスコアリングのロジックをガチガチに組んでしまうと、その仮説が正しくないときに見込み客とは遠いユーザーをMQL、SQLと判別してしまう可能性もあります。まずは小さく、仮説の確度が高いものからスコアリングとして定義するようにしましょう。
接触のポイント
リードを選別した後の接触ポイントは大きく分けて4つあります。この4つを意識することで、顧客化する確率をアップできます。
ポイント1:ターゲットを絞る
何のためにリードを選別したのかといえば、ターゲットを絞ったコミュニケーションをするためです。同じメールを全員に一斉配信するだけではメールの開封率が下がってしまいますし、SQLではない人に積極的な営業を掛けるようなメールを送っても、エンゲージメントが下がってしまいます。ライフサイクルごとに適切なコミュニケーション施策を取ることが大切です。
弊社のグループ会社であるコムニコの例を紹介しましょう。SNSマーケティングを展開するコムニコでは、「We Love Social」というSNSの最新情報を届けるオウンドメディアを運営しており、このコンテンツをもとにコミュニケーション施策を考えてみます。
リードには、当月の更新記事をお知らせする一斉送信のメールマガジンを配信して、継続的なアップデート情報を送ります。興味、関心が把握できているMQLで、Instagramマーケティングに関心が高いようであれば、Instagramに関連する記事のみをまとめてお知らせします。
SQLであれば、直接電話で連絡してもいいでしょう。一方で、まだメールアドレス+αの情報を取得した段階のリードに電話連絡をしてしまったら、良い反応を得られないどころか、警戒されてしまうこともあると思います。適切な距離感を意識しましょう。