貧弱な運用形態
業務部門はすべて、アナリティクスツールをそろえているが、それらが適切なものとなっていない。ほとんどの企業は、これらツールすべてを共通のデータモデルに集約し、業務の遂行に用いるという運用戦略面において的を外している。
不適切なデータの看過
「ビッグデータ」時代の到来によって、企業データに占める不適切なデータの割合が平均40%にもなるという状況がもたらされている。データの集約が適切でない場合、ある種のリスクがもたらされる。そして、われわれが使用しているツールはこのような問題の解決ではなく、保存されるデータ量の増大に重点を置いている。
リソース不足
筆者が話を聞いたすべての組織では同じ問題が存在していた。その問題とは、データ関連の作業に必要となる適切なリソース(人材や資金、テクノロジ、時間)が十分に割り当てられないというものだ。
理解
あらゆる人々はデータが意味する内容を知っている。データには多くの定義が存在しており、われわれは業務を遂行していくためにそれらを昔から使用してきている。しかし、それがどのように機能するのかを知っている人はほとんどいない。このため、企業が成長していくに従って、データガバナンスと投資の欠如は問題を引き起こすようになる。
マネジメント技術やストレージ、操作、アナリティクスといったものすべては、ここ数年で急速に進化し、ビッグデータの世界を構築してきた。その結果、あまりにも多くのデータと、そういったデータから導き出された不十分な洞察によって、大きな混乱が引き起こされてきている。
また、このような道へ誘う誤ったツールが数多く出回っている。
ポストビッグデータの世界と、データを用いて行うべきこと
われわれはポストビッグデータの世界にいる。
ビッグデータのもともとの宣伝文句は、十分な情報を収集すれば、運用の改善や成果の向上につながるデータの使用方法が見えてくるというものだった。しかし、その通りにはならなかった。言い換えれば「邪悪なビッグ」、つまりより多くのデータを前にすればするほど、より多くの問題に遭遇するという結果になった。
われわれの行き着いた先は、多くのサイロに隔離されたかたちで積み上げられた大量のデータだ。こういったデータは、その使用方法を見つけ出そうとするユーザーと、その管理方法を見つけ出そうとするIT部門の人々を圧倒するほど大量だった。
これがポストビッグデータの世界における苦難の始まりだ。