東京都新宿区は、クラウド基盤構築・運用支援サービス「NEC Cloud System」を用いてプライベートクラウド基盤を刷新。4月に本格稼働を始めた。サーバの集約率を高めることで、ラック数を約4割減らした。
システム構成図(出典:NEC)
セキュリティ強化策では、顔認証システムやファイル自動暗号化、トレンドマイクロ製品による多層防御、SDNを用いた自動防御などが実装された。一次対処の迅速化、被害の局所化については、感染した仮想デスクトップとの通信を自動遮断することで対応する。
サイバー攻撃を検知した場合、攻撃内容の把握や被害の有無の確認が容易になり、分析にかかる情報システム部門の負担を軽減している。また、日々の情報セキュリティに関する運用は、NECが24時間体制の監視を行うと同時に、トレンドマイクロと連携した支援体制を組んでいる。
多層防御の構成図(出典:NEC)
新しい行政サービスの実現に向けた取り組みでは、データセンターと庁舎内に設置したプライベートクラウド基盤の相互運用を見据えている。SDNを採用することで、サーバの再配置やリソースの再配分が容易になった。これにより、新しい行政サービスを迅速に立ち上げられるようになった。また、災害時の事業継続性を強化するため、バックアップサイトとしてパブリッククラウドを利用するなど、マルチクラウド環境での運用を可能にしている。