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展望2020年のIT企業

データベースの技術力を生かしたクラウド事業を推進する地域IT企業

田中克己

2018-09-21 07:15

 「ようやく成果につながってきた」――。石川県金沢市に本社を構え、システム構築事業を展開するシステムサポートの小清水良次社長は、基幹系システムをクラウドに移行させるビジネスの立ち上がりを喜ぶ。ディスカウントストアのドン・キホーテの基幹系システムをAmazon Web Services(AWS)に移行させる(関連記事)など、クラウド中心のインテグレーターに様変わりしつつある同社は、従業員約750人・売上高100億円弱の規模になり、2018年8月に東証マザーズへの公開も果たした。地域IT企業が勝ち抜く戦略が見える。

クラウドを成長エンジンとする金沢のシステムサポート

 1980年に創業したシステムサポートはバブル崩壊後、厳しい経営状況に陥り、主力事業をデータ入力からSI(システムインテグレーション)へとシフトさせた。それを推進したのが1994年に社長に就任した小清水氏だ。年率10%超で成長を続けており、2019年6月期には売上高109億3700万円(前年同期比9.7%増)、営業利益4億2800万円(同6.4%増)を見込んでいる。

 だが、小清水社長は「独立系SIは何か強みがないと、下請けから抜けられない」とし、AWSなどのクラウドに着目した。有力ITベンダーに依存しないビジネスを展開できるし、顧客との直接取引も増やせるからだろう。このクラウド事業拡大を可能にしたのが、Oracle Database技術者である。「基幹系をクラウドに移行する際、データベースが肝になる」(同)からだ。技術者の育成を推し進めてきた結果、ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g/12cの累計取得者数は国内3位になったという。

 しかも、小清水社長によると、Oracle DBをAWSに移行できる技術力を持つ認定IT企業は3社しかないという。AWS日本法人はその1社のシステムサポートにも顧客を推薦するだろう。例えば、ドン・キホーテの商品の受発注や売り上げ、利益、在庫管理などの基幹系システムをAWSに全面移行するプロジェクトは、アプリ開発などを請け負うIT企業と2017年6月から2018年4月にかけて取り組んだ案件になる。

 クラウド事業に参入するきっかけがあった。子会社でデータセンター(DC)事業を展開するイーネットソリューションズがクラウドに価格競争で負け始めてきたこと。クラウドへの移行が加速すれば、「DCが淘汰(とうた)される」(小清水社長)と危機感を持った同社は逆にクラウドを取り込むことにし、2013年にAWSのパートナーになった。さらにMicrosoft Azureのパートナーにもなり、クラウド関連事業は同社の成長エンジンに位置付けた。結果、年率60%で成長し、直近の売り上げは13億4400万円に達する。「クラウドをトリガーにシステム構築も請け負いたい」と、小清水社長はさらなる事業拡大に意欲的だ。自社DCをプライベートクラウドとして活用するユーザーも増えているという。

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