B2Bの場合、B2Cのようにデータの量が問題となることはない。というのも、潜在市場の規模はずっと小さいため、データの発見が容易であるためだ。とはいえ、データの品質と集積はより頭の痛い難問となる。これを解決しようとするものがデータプラットフォームだった。
単にデータを集積するだけに終わらず、複数の目的で使用できる適切なデータに対して容易にアクセスできるようにするとともに、有益な洞察を導き出せるようにすることが、データプラットフォームと洞察エンジンをパワフルなものにする。これは、格納されているデータの量、あるいは使う可能性のあるデータの量の話ではなく、必要なデータを適切なタイミングで使用できるようにするという話だ。プロセスを最適化する鍵は、集積されたデータと、そのプロセスにおけるやり取りのなかから導き出される洞察にあるのだ。
前出の図は、データプラットフォームとデータストレージにおける現在までの進化とともに、その長所(PRO)と短所(CON)をまとめたものだ。また、それぞれのモデルが達成するものと、どのようにして効果を発揮するのかについてのガイドラインも併記している。
データを用いて意図した通りの成果を得るために、これらのツールのなかから最適なものを使用することが、洞察を得るための第1段階となる。しかし、問題を避けては通れない。
デジタル変革イニシアティブを推し進めるなか、データの最適化方法を模索してきているB2B企業は、ビッグデータのシステムを配備して以降、データに起因する3つの問題に頭を悩まされている。それらは以下のようなものだ。
- 信頼されたデータの集積:あまりにも多くのデータソースから過剰な量のデータを集積している場合、それらデータの一部は重複している可能性があり、矛盾していることすらある。プラットフォーム上に集積されたデータから洞察を導き出す際には、プロセスの成果に基づく信頼されたデータソースと、多用すべきでないデータソースの間で差がもたらされる。
- 容易なアクセスとアップデート:データが収集/集積/格納されているからといって、それらデータが永遠に変わらないわけではない。われわれの住む、常に移ろいゆく世界において、データは1日に何度も変化する場合(運用データ)や、数週間ごとに変化する場合(データのセグメント化や洗い出し)がある。
- データ使用の最適化:業務における正しい意思決定には、最も新しく、そして正確なデータを持てるかどうかが重要となる。デジタル時代の業務で正しい意思決定を行うには、適切なタイミングで正確なデータが必要となる。