Microsoftが、「Robot Operating System [ROS1] for Windows」の試験リリースを発表した。米国時間9月28日の発表によると、同社がこの動きで目指しているのは、家庭用、教育用、商用、および産業用ロボットなどの「ロボティクスにインテリジェントエッジをもたらす」ことだという。
Microsoftは、ROSを製造分野に拡大して産業用ロボット用途に活用することを目指すROS Industrial Consortiumに加盟し、「ROS1」をWindowsにもたらすため、同コンソーシアムとOpen Roboticsと連携している。
提供:Microsoft
ROSは複雑なロボットを構築するための一連のライブラリとツールの集合を指す(Linux上のROSは既に存在する)。2018年9月の時点で、「Core ROS」のWindowsへの移植は既に完了済みだ。Microsoftの目標は、開発者が「Visual Studio」やさまざまなAIおよびクラウドサービス(「Azure Cognitive Services」「Windows Machine Learning」「Azure IoT Cloud」など)をロボットの構築に利用できるようにすることだ。
「ROSCon 2018」で、Microsoftは「Melodic Morenia」として知られるROSをリリースを実行する「ROBOTIS Turtlebot 3」ロボットのデモを披露した。
Microsoftは「ros-win」ページで、「このロボットはIntel『Coffee Lake』搭載NUC上で『Windows 10 IoT Enterprise』を実行する。ハードウェアアクセラレーションに対応したWindows Machine Learningを利用する新しいROSノードも使っている」と説明した。そのページによると、MicrosoftはAzureで動作するROSシミュレーション環境や、オーケストレーションシステムに接続され、「Azure IoT Hub」経由で制御される一群のロボットが仮想世界で動作するデモも披露したという。
同ページには、「MicrosoftはROS1向けのWindowsビルドをホストし、近いうちにROS2向けのWindowsビルドのホストも開始する予定で、Windows向けのドキュメンテーション、開発、およびデプロイメントソリューションも提供する」と書かれている。
このところ、Microsoftはロボティクス分野にいつ、どのように参入する計画なのかについて、比較的沈黙を保っていた。しかし、同社では、ロボティクスに関するさまざまなプロジェクトや取り組みが進められている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。