IoT対応のグローバル展開
Maraqa氏によると、同社のIoTへの取り組みでは、まず中央ヨーロッパ、次いで米国からスタートしている。製造業のユーザーが多いというのがその理由だ。ゆくゆくはグローバル展開していく予定だが、まずはこれらの地域を優先し、展開に当たってそれぞれの地域ごとにパートナーやSI事業者を確保していくことも重要だとしている。
特にドイツは、製造分野における革新的な進化が数多く起きており、この点では米国よりも進んでいるとMaraqa氏。一例として、ドイツ企業ではPorscheやBMWといった自動車メーカーがSplunkのユーザーになり、先進的な使い方をしているという。パートナーやSI事業者も多く、同社はドイツで「リファレンス・カスタマー」を確保し、その経験を米国およびアジアに展開していく構想を描く。
また欧州に関しては、米国よりも多数の鉄道事業者が存在する点も重要だという。鉄道事業者はコンソーシアムを結成してさまざまな分野で協力関係にあり、Splunkの活用ノウハウに関してもコンソーシアム内で共有を図っているという。同社はこうした組織と協力することで、「われわれとしてもより多くの顧客に迅速にアプローチできるという利点がある。IoTはドイツや米国から着手しているが、Splunk for Industrial IoTはグローバルで提供しており、日本のユーザー企業で導入希望があればもちろんすぐに対応できる」(Maraqa氏)
米国でのユーザー企業は各種製造業といい、特に進んでいるのが半導体産業などのテクノロジ分野の製造業や、石油・ガスなどの資源産業だとしている。
Splunk for Industrial IoTの今後の展開についてMaraqa氏は、人工知能(AI)/機械学習の技術を活用して、メンテナンスタイミングなどの予測を精密化していくことや、より多くの種類のデータタイプをサポートすることも計画していると話す。さらに、分析や可視化など、データに対する処理をより一層充実させたり、公益事業や輸送業などより広範な産業分野にソリューションを展開していくことも必要だと述べている。
(取材協力:Splunk)