IDC Japanは10月9日、国内データセンター(DC)サービス市場の最新予測を発表した。これによると、2018年は前年比8.4%増の1兆2923億円となる見込み。また、2017~2022年の年平均成長率(CAGR)は8.6%、2022年の市場規模は1兆7976億円になると予測している。
IDC Japanによると、DCサービスは顧客企業の情報システムを情報サービス事業者のデータセンター内で運用監視するもので、クラウド系と非クラウド系がある。クラウド系サービスとは、アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどが提供するクラウドサービスやそうしたクラウドサービスのサーバに稼働環境を提供するサービスを指す。また、非クラウド系サービスとは、従来型のウェブホスティングや業務システムアウトソーシングなどを指す。
国内データセンターサービス市場 売上額予測:2017年~2022年(出典:IDC Japan)
※2017年は実績値、2018年以降は予測
国内企業の多くが、自社のITインフラ(サーバ、ストレージなど)をクラウドサービスに移行させる傾向にあるため、DCサービスの利用形態も従来型のサービスからクラウド系サービスにシフトしている。その結果、国内DCサービス市場では、クラウド系サービスの伸びが成長のけん引役となっており、2020年には国内DCサービス市場の半分以上をクラウド系サービスが占めることになる。
また、企業や公的機関がクラウドサービスを利用する際には、重要な業務データを国内のDCで処理・保管したいというニーズが強いため、アマゾン、グーグル、マイクロソフトなどの外資系クラウド事業者は、国内DCに設置するITインフラを増やしている。これに伴い、こうしたサーバなどの設置場所および稼働環境に対する需要が高まっており、DC内の稼働環境(電力やネットワーク回線など)を提供するためのDCサービスも、クラウド系サービスの一分野として市場の成長に寄与している。
IDC Japanでは今後、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)の利用が拡大すると、それらの稼働基盤としてのクラウドサービスへの需要は一層高まると見ている。同時に、クラウドサービス拠点としてのDCサービスには、低コストでスピーディな運用が求められることになると指摘する。