Cloud FoundryのKubernetes対応がさらに拡大

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-10-11 17:39

 昔は、クラウド上のコンテナのオーケストレーションには「Docker Engine」や「Mesosphere Marathon」などのさまざまな技術が使われていた。これらの技術は今も消えたわけではないが、現在では、「Kubernetes」がクラウド上でのコンテナオーケストレーション技術の決定版になっている。そんな中、スイスのバーゼルで開催された「Cloud Foundry EU Summit」で、「Cloud Foundry」とKubernetesの距離を縮める発表が行われた。

 この発表は、有名なオープンソースのPaaSクラウドであるCloud Foundryが、大規模分散サービスのリリースエンジニアリング、展開、ライフサイクル管理のためのツール群である「BOSH」を捨てることを意味しているわけではない。Cloud Foundryが目指しているのはKubernetesを使いやすくすることで、これにはBOSHとは独立してKubernetesを使う場合と、BOSHの一部として利用する場合の両方が含まれる。

 そのためにCloud Foundry Foundationは、プロジェクトのラインアップに新たに2つのプロジェクト「Eirini」「CF Containerization」を追加した。その1年前には、Cloud FoundryとKubernetesの統合を目指す最初の試みである「Cloud Foundry Container Runtime」(CFCR)プロジェクトがスタートしている。CFCRは、BOSHのリリースエンジニアリング用ツール群を利用してKubernetesクラスタの展開と管理を行えるようにするための技術だ。

 Eiriniは、PaaS事業者やベンダーが、Cloud Foundry Application RuntimeのコンテナスケジューラにKubernetesを使えるようにすることを目標としている。Eiriniプロジェクトが目指すのは、開発者に「cf push」の体験をもたらし、簡単にKubernetes上でアプリケーションを展開できるようにすることだ。Eiriniプロジェクトを始めたのはIBMだが、すでにSUSESAPもこの技術をサポートしている。

 一方、CF ContainerizationはもともとSUSEがスタートさせたもので、Cloud FoundryのBOSHリリースをコンテナにパッケージ化し、そのコンテナをKubernetesに展開するための技術だ。

 Cloud Foundryコミュニティは、エンドユーザーがアプリケーションとコンテナプラットフォーム間でより一貫した形で運用できるようにしようとしている。現在、ログの記録やメトリックの共有、「Istio」などの技術を利用した統合ネットワーキング、「Open Service Broker API」(OSBAPI)対応のサービスカタログ同期などのプロジェクトが進んでいる。

Cloud FoundryのKubernetes対応が拡大

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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