日立製作所は10月9日、既存の枠を超えた業種横断型のアイデアの創出を促すシステムを開発したと発表した。同システムを用いてワークショップを実施したところ、業種横断型のアイデアが従来に比べて約2倍創出された。
同システムは、日立独自の顧客協創方法論「NEXPERIENCE」を活用してサービスアイデアを創出するワークショップで利用される。同社のIoT基盤「Lumada」を活用し、エネルギー、産業、金融など複数の事業領域をつなぐイノベーティブなアイデアの創出を加速する。
NEXPERIENCEは、クリエイティブな議論を促進する手法、ITツール、空間を体系化し、質の高い議論や独創的なアイデアの創出を促すもので、600件を超える適用実績がある。
今回開発したシステムでは、NEXPERIENCEのアイデア創出手法である「NEXPERIENCE/Service Ideation」に、雑音下音声認識技術を適用し、ワークショップ参加者の議論をリアルタイムに解析、キーワードを自動抽出する。さらに、抽出したキーワードに応じて、Lumadaが蓄積している多様な事業領域における課題解決の事例を提示する。ワークショップ参加者は、提案された事例を活用して、複数事業領域を融合した実現可能性の高いアイデアを発想できる。
同システムを活用した成果としては、産業分野の工場のIoT化をテーマとするワークショップで、エネルギー分野の「センサで在宅情報を判定する」事例をもとに、「工場の稼動情報から企業活動の活発度合を判定する」ことで、資金調達支援の信用付与に活用するなどのアイデアが生まれている。
日立では11月から、顧客との「協創ワークショップ」に同システムを活用していく。
システムの利用イメージ(出典:日立製作所)