今さら聞けないネットワーク回線の基礎

第3回:ネットワークの内側と外側--WANは誰が作るのか?

飯田哲也 (アルテリア・ネットワークス)

2018-10-25 07:00

WANは誰が作るの?

 今回はWAN(Wide Area Network)について詳しく述べる。WANはLANとLANをつなぐネットワークである。つなぐといっても、誰がどうやってつなぐというのだろうか。例えば、東京と大阪にオフィスがあったとしよう。この場合、その会社が自分で東京から大阪までネットワークケーブルを引くのだろうか。

図1

 これはなかなか難しいものがある。そこで登場するのが通信キャリア(電気通信事業者)と呼ばれる存在だ。通信キャリアはそれぞれの会社で引くことのできないWAN回線を代わりに引いてくれる便利な存在だ。主な通信キャリアとしては以下のような会社が挙げられる。

  • NTTコミュニケーションズ
  • KDDI
  • ソフトバンク
  • アルテリア・ネットワークス

 それでは通信キャリアはどのようにしてWAN回線を引くのだろうか?

WANを作るネットワークケーブル

 LANのことを思い出してほしい。LANでコンピュータとコンピュータをつないでいるものはネットワークケーブル、あるいは電波だった。では、通信キャリアもネットワークケーブルや電波で各拠点をつなぐのだろうか。答えはネットワークケーブルでつなぐのが一般的だが、LANで使われるツイストペアケーブルではなく通常は光ファイバと呼ばれるケーブルを使用する。これはツイストペアケーブルよりも光ファイバの方が、伝送距離が長く伝送速度も速いためだ。

図2

 光ファイバは光を伝送するケーブルである。それに対してLANで使われているツイストペアケーブルは電気信号を伝送するケーブルだ。コンピュータから発信されたデータは電気信号としてツイストペアケーブルを通り、途中で光に変換・伝送され、最後にまた電気信号に戻される。

図3

 通信キャリアはこの光ファイバを各拠点に引き、拠点間の通信を成立させる。

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