日立製作所と日立ビルシステムは、タブレットなどで多言語での受付・接客対応などを行うアプリ型のコミュニケーションロボット「EMIEW-TT」を開発したと発表した。今後、実証実験などを通じて早期の実用化を図っていく。
両社は、これまで駅や空港、商業施設、オフィスなどで2016年4月に日立製作所が開発したコミュニケーションロボット「EMIEW3」と、リモートブレイン構成のロボットIT基盤を用いた受付・接客対応などの実証実験を行ってきた。リモートブレイン構成とは、リアルタイム性が要求される処理は本体側で行い、要求されない処理は外部システムで担う方式のこと。
「EMIEW-TT」は、タブレットなどで「EMIEW3」のアバター(分身)と多言語(日本語、英語、中国語に対応済み。その他の言語については個別対応)で会話ができるアプリ。公共空間での利用に求められる雑音環境下での音声認識性能に特徴がある。人がタブレットに話しかけると、「EMIEW3」のアバターとの会話が始まり、質問に対する回答はロボットIT基盤に蓄積したデータを照会して行う。質問内容に応じて施設情報などを画面上に表示しタブレット上で動作させる場合には、人が近づいてきたことを検知する近接センサと多方向からの音声に対応可能なマイクを備えた専用のクレードルを組み合わせて使用する。
サービス提供イメージ
操作画面イメージ
両社は実証実験を重ねていく中で、「EMIEW3」の特長である自律走行や多言語会話などの機能のうち、多言語会話による情報提供の機能に特化し、容易に設置・導入できるモデルを求める企業からの要望を受け、タブレットなどで多言語での受付・接客対応などを行うアプリとして「EMIEW-TT」を開発した。