IBM、「Mac@IBM」のコードをオープンソースに

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-10-24 11:31

 IBMは2015年、社内に50万人の「Windows」ユーザーを抱えていた。その後、IBMは従業員にAppleの「Mac」に変更する選択肢を用意した。現在、13万4000人以上のIBM社員の従業員がMacを使っているという。このような中、同社はMacユーザーを管理するために、Mac専用のシステム管理プログラム「Mac@IBM」を構築した。今回IBMは、このプログラムをオープンソース化している。

 IT業界に長く関わっている者からすれば、PCの父のような存在であるIBMが、Macシステム管理プログラムをオープンソースにするというのは矛盾があることのように思えるかもしれない。それでもIBMは、Windows PCと比較すると、Mac1台あたり4年間で最大543ドルのコストを削減できると述べていた。Mac@IBMソフトウェアは、このコスト削減の一因となっている。

 IBMの最高情報責任者(CIO)であるFletcher Previn氏は、米国時間10月23日よりミネアポリスで3日間開催されている「Jamf Nation User Conference」で、IBMがMac@IBMのコードをオープンソースにすると発表した。IT管理者はこれを利用して、設定におけるユーザーデータの収集が可能になる。ユーザーは、設定時にアプリやアプリのバンドルを選択でき、自分のデスクトップをカスタマイズできるようになる。

 Previn氏は声明文で、「Mac@IBMエンロールメントアプリは、IBMが3年間にわたって、業界をリードするMac@IBMプログラムを提供するためのエンジニアリングに投資してきた成果だ。このアプリは『macOS』を『Jamf Pro』(エンタープライズ向けのAppleデバイス管理プログラム)で設定し、ユーザーにとって、より直感的で使いやすいものにする。また、IT部門はより容易に、従業員の選択のサポートに対する要望に応じられるようになる」と述べている。

 このようなMacへの移行に関するIBMの動きは、コスト削減だけが目的ではない。Previn氏は、「Mac@IBMプログラムはユーザーファーストとしており、ITが企業文化の変化を促し、従業員のエンゲージメント強化につながるというIBMの信念を反映している」と説明している。

 IBMはWindowsのサポートも継続している。従業員は自分のマシンをアップグレードするときにWindows PCとMacのいずれかを選択できる。一定数の従業員が現在Macを利用しており、AppleがIBMに多くのファンを擁しているのは明らかなようだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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