米Avayaが人工知能(AI)を活用したコンタクトセンターソリューションの機能強化に注力している。コンタクトセンターは慢性的な人手不足が深刻な課題となっているうえ、顧客とのタッチポイントも多様化。業種によってはグローバル化が進み、多言語対応も要求されるなど、コンタクトセンターを取り巻く環境は大きく変化している。
「顧客の要求に対して迅速に対応するためには、コールセンター(CC)とバックオフィスにあるユニファイドコミュニケーション(UC)がシームレスに連携することが重要になる」と語るのは、米Avayaで最高経営責任者(CEO)を務めるJim Chirico(ジム・チリコ)氏だ。
Avaya CEO Jim Chirico氏
同社はアラブ首長国連邦ドバイで開催された「GITEX Technology Week 2018(GITEX 2018)」(10月14~18日開催)に出展。CCとUCを統合したソリューションAIを活用したバーチャルアシスタントのデモンストレーションを紹介した。
米Avayaは、中東地域で高いプレゼンスを誇る。特に同地域の政府や警察組織、公共交通機関に対しては、カスタマイズしたコミュニケーションインフラを複数提供している。同社はGITEX 2018期間中にも、ドバイ警察のシステム支援を発表。ビデオ通話や手話を使って管理センターとコミュニケーションできるソリューション、警察の緊急コールと連携するソリューションを提供していくことを明らかにした。
Avayaのブースでは顧客のユースケースを中心にCCとUCのシームレスな連携事例が紹介された
スマートスピーカの普及はビジネスチャンス
Avayaの展示ブースで多くの人が関心を寄せていたのが、スマートスピーカ「Amazon Echo」を活用したソリューションのデモだ。これはユーザーがEchoを介してコンタクトセンターとやり取りし、欲しい情報にアクセスできるもの。
Avaya ソリューション/テクノロジ担当シニアバイスプレジデント Chris McGugan氏
米Avayaでソリューションおよびテクノロジ担当シニアバイスプレジデントのChris McGugan(クリス・マクギューガン)氏は、「スマートスピーカの普及によって企業は、顧客とダイレクトにコンタクトできるようになった。新たな顧客体験を提供する観点から考えても、スマートスピーカは(企業にとって)ビジネスチャンスになる」と指摘する。
Avayaで音声入力コマンド機能を提供しているのが、自然言語処理(NLP)を活用した同社のAI技術「Avaya Ava」だ。Avaは2018年1月に買収したSpoken Communicationsの技術がベースとなっている。
スマートスピーカからのコマンドを分析してその内容を把握し、各コンタクトセンターに接続する。一方、コンタクトセンター側では顧客の質問やその要求に対応するための情報がリストアップされる。これにより、顧客のリクエストにいち早く対応できるというわけだ。