日本IBMがセキュリティのコンサルティング事業を強化した。セキュリティマネジメントを総合的に支援するものだが、対象となる顧客は大手企業だ。同様の発想で、IT業界として中堅・中小企業向けにもセキュリティ指南の仕組みを作れないものか。
日本IBMがセキュリティのコンサルティング事業を強化
写真1:日本IBMの纐纈昌嗣 執行役員セキュリティー事業本部長
日本IBMがセキュリティのコンサルティング事業強化に向け、新たな専任組織を設けるとともに、6つのコンピテンシー(専門領域)モデルを提供する体制を整えた。
その内容について同社は先頃、記者説明会を開き、執行役員セキュリティー事業本部長の纐纈昌嗣氏が「IBMにはグローバルで6000人を超える専門家からなるセキュリティコンサルティング組織があるが、このほどその組織を改編し、お客さまに一層その価値を提供できるようにした」と語った。(写真1)
同社セキュリティー事業本部において新たな組織として設けられたのは、「コンサルティング&システムインテグレーション(C&SI)」部門。同部門を率いるパートナーの小川真毅氏は、「企業のセキュリティ対策は今や、脅威から組織を守るだけでなく、守り切れなかった場合のさまざまな危機への対応も合わせた全体最適化が求められている。それに対し、IBMでは“セキュリティ免疫システムによるサイバートランスフォーメーション”を提案し、コンサルティング支援に努めていきたい」と説明した。(写真2)
写真2:日本IBMの小川真毅セキュリティー事業本部C&SI部門パートナー
図1が、セキュリティ免疫システムによるサイバートランスフォーメーションの概要である。セキュリティ免疫システムについては、「私たちの身体を病原体から守り、病気にならないように保護してくれている免疫システムのように、セキュリティ攻撃を防止したり、攻撃を受けた箇所を修復したりする働きをする」と説明。「免疫」という言葉に込めた同社の思いが見て取れる。
しかも、そのセキュリティ免疫システムの普及拡大に向け、同社はセキュリティの専門家のさらなる増強とともに、顧客のIT利用環境のクラウド化への対応、そしてパートナーエコシステムの活用に一層注力していく構えだ。ちなみに、パートナー数は現時点で200社超。セキュリティ分野では最大級のエコシステムといえよう。(図2)
図1:セキュリティ免疫システムによるサイバートランスフォーメーションの概要
図2:パートナーエコシステム