Googleは米国時間10月29日、モバイルアプリ開発プラットフォーム「Firebase」に対する一連の機能強化を発表した。ここ1年で勢いをつけてきているFirebaseの今回のアップデートは、同プラットフォームをよりエンタープライズフレンドリーにするためのものだ。Googleは2014年にFirebaseを買収し、2016年に統合プラットフォームとして進化させた。現在では、Firebaseを使用するアクティブアプリケーションの数が毎月150万を超えるまでになっている。
FirebaseのリードプロダクトマネージャーであるFrancis Ma氏によると、Firebaseはこれまでのところ、主に小規模で機動力の高い企業によって利用されてきているという。
しかし、小規模な企業にとっての魅力は、規模の大きなチームにとっては利用しにくいものだった。このためGoogleは、APIによるアクセスやデータのエクスポートといった機能によって同プラットフォームを強化した。Ma氏は「これにより、既存のインフラやプロセスとの適合を可能にし、より柔軟なかたちで利用できるようにした」と説明している。
新機能の1つに「Firebase Management API」がある。このREST APIを利用することで、開発者はプロジェクトやアプリをプログラムによって作成、管理できるようになる。以前であれば、Firebaseを利用するには手動でアプリやプロジェクトのプロビジョニングを行う必要があった。今回のアップデートにより、プロジェクトのプロビジョニングとデプロビジョニングを自動化できるようになった。これは特に継続的インテグレーション(CI)に有用だ。
さらにGoogleは、「StackBlitz」や「Glitch」というウェブベースの統合開発環境(IDE)内から顧客が直接「Firebase Hosting」に配備できるようになるとも述べている。
これと同時に、Googleは「Firebase Predictions」の一般提供も開始した。このツールを用いることで、ユーザーは自らのアプリケーションのアナリティクスデータに機械学習(ML)を適用し、予測された振る舞いに基づいたユーザーのセグメントを作成できるようになる。ベータ段階の終了に加えて同社は、予測結果の詳細を吟味できる機能をFirebaseに追加しており、イベントやデバイス、ユーザーデータといった、MLモデルが考慮した因子を表示する詳細ページも追加されている。
そして、こういったデータを自らのデータウェアハウスに還元したいユーザーのために、予測の完了したデータセットを「Google BigQuery」にエクスポートする機能も用意されている。
またGoogleは、「iOS 12」のサポートを追加した、「iOS」用の「Firebase Test Lab」の一般提供も開始した。
さらに同社は、「Google Cloud Platform」(GCP)用のサポートパッケージに対するFirebaseサポートの追加にも取り組んでいる。これは2018年中にベータ版が利用可能になる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。