ルーマニアのセキュリティ企業Bitdefenderは、先週ランサムウェア「GandCrab」に対応する復号ツールを無償公開してから、被害者がGandCrab攻撃の犯人グループに総額100万ドル(約1億1300万円)超の身代金を支払うのを防いだとしている。
Bitdefenderによると、ツールをリリースしてから数時間で、少なくとも1700人以上の被害者がGandCrabによってロックされたファイルの復号に成功したという。
Bitdefenderが現地時間10月30日に発表した統計データによると、これらのユーザーが多かったのは、韓国、中国、インド、米国などだ。

提供:Bitdefender
Bitdefenderは10月25日、欧州刑事警察機構(Europol)やルーマニアの警察当局などの法執行機関と協力して、GandCrabの複数のバージョンに対応する復号ツールを無償公開した。
このツールは、GandCrabのバージョン1(拡張子「.GDCB」)および4(拡張子「.KRAB」)、5(複数文字のランダムな拡張子、現時点の最新バージョン)に対応している。
Bitdefenderが復号ツールを公開した翌日、GandCrabの犯行グループもBitdefenderによる復号ツールに対抗できる新バージョン「v5.0.5」をリリースしたとしている。

Bitdefenderによると、「最も被害が多いのはGandCrabのバージョン4と5」だという。
多くのセキュリティ専門家が、ランサムウェアに暗号化されたファイルを置いておき、数カ月中に公開される無償の復号ツールを待つよう、常に被害者にアドバイスしているが、BitdefenderのGandCrab対応復号ツールはそうした理由を示す好例だ。
すべてのランサムウェアに対して復号ツールが公開されるわけではないかもしれないが、公開されれば、被害者は失ったと考えていたファイルを復元できる可能性がある。

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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。