マカフィーがセキュリティソフトの最新版--防御と性能を向上を図る策

渡邉利和

2018-11-01 12:08

 マカフィーは10月31日、コンシューマー向けセキュリティ製品「マカフィー リブセーフ」「マカフィー インターネットセキュリティ」「マカフィー アンチウイルス」のアップデートを発表した。いずれも最新バージョンが11月29日から提供される。

 マカフィー リブセーフはホームユースを意識した製品で、Windows/Mac/Android/iPhoneなどのクロスデバイスに対応。家庭内かつ個人利用であれば台数無制限となる。サブスクリプションライセンスで提供され、11月29日以降も有効なライセンスがあれば、既存ユーザーも最新版を利用できる。今回のアップデートでは、子供のスマートフォン利用などを包括的に保護するための製品として提供されていた「マカフィー セーフ ファミリー」の機能が含まれたほか、パフォーマンス強化策としてWindows 10向けに「アプリブースト」および「ウェブブースト」の機能が追加されている。オンラインストアでの販売価格は台数無制限3年版で1万6480円(税込み)となっている。

 マカフィー インターネットセキュリティはリブセーフ発売以前から販売され、現在はオンラインストアでのみ提供。リブセーフとの違いは、ユーザー1人での利用を想定している点で、例えばパスワード管理機能の対象は1人のみとなる。クロスデバイス対応/台数無制限という点はリブセーフと同様。価格は台数無制限3年版で1万2137円(同)となっている。マカフィー アンチウイルスはWindows PC 1台のみの保護を想定し、価格は1年版で2916円となる。

マカフィー CMSB事業本部 コンシューマ マーケティング 本部 執行役員 本部長 兼 コンシューマ セキュリティ エヴァンジェリストの青木大和氏
マカフィー CMSB事業本部 コンシューマ マーケティング 本部 執行役員 本部長 兼 コンシューマ セキュリティ エヴァンジェリストの青木大和氏

 CMSB事業本部 コンシューマ マーケティング本部 執行役員 本部長 兼 コンシューマセクリティエヴァンジェリストの青木大和氏は、セキュリティ動向や昨今のデジタル脅威について説明し、現在の脅威がウイルスやマルウェアだけではなく、ランサムウェアやコインマイニング、SNSなどのなりすましといった多岐に渡り、従来のアンチウイルスだけでは対応しきれない現状を指摘。その上で、ユーザー側でも攻撃者がどのような手法で何を狙っているのかを知り、適切な防御策を講じる必要があると語った。

 また、プロダクトマーケティング シニアマネージャーの小川禎紹氏は、リブセーフがかつてのアンチウイルスソフトとは異なる総合的なセキュリティ製品になっていることを強調し、2年前から実装されている次世代マルウェア対策エンジン「リアルプロテクト」を例に、防御力を落とすことなくパフォーマンスを向上させる同社の取り組みについて説明した。

 リアルプロテクトでは、「シグネチャベースのローカルでの検知」「クラウドでのシグネチャベースの解析とレピュテーション解析」「クラウドでの静的および動的情報の自動化された解析」の3段階で脅威分析を行う。ローカルに保持するシグネチャの量を大幅に削減しているため、かつて問題になっていたパフォーマンス劣化は起こりにくくなっていると同時に、クラウドを活用することで検出精度はこれまで以上に高めているという。

次世代マルウェア対策エンジン「リアルプロテクト」の概要
次世代マルウェア対策エンジン「リアルプロテクト」の概要

 この方式では、クラウドが利用できないオフライン環境では検出精度が維持できない懸念があるが、現在の脅威はほとんどがインターネットから来ることから、高精度な検出を必要とするのはインターネットに接続されている時であり、実用上の問題はないようだ。

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