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ガートナー、2019年の戦略的テクノロジトレンドのトップ10を発表

NO BUDGET

2018-11-06 12:17

 ガートナー ジャパンは、2019年に企業や組織にとって戦略的な重要性を持つと考えられるテクノロジ・トレンドのトップ10を発表した。

 これによると、「自律的なモノ」「拡張アナリティクス」「AI(人工知能)主導の開発」「デジタル・ツイン」「エッジ機能の拡張」「イマーシブ・エクスペリエンス」「ブロックチェーン」「スマート・スペース」「デジタル倫理とプライバシー」「量子コンピューティング」が挙げられている。

 「自律的なモノ」とは、ロボット、ドローン、自律走行車などを指し、これまで人間が担ってきた機能を、AIを利用して自動化する。ガートナーでは、自律的なモノが増えると、単独型のインテリジェントなモノから、スワーム (群れ) として機能する協調型のモノへとシフトしていくことが予想されるという。協調型のモノのスワームでは、人から独立して、または人間の操作によって、複数のデバイスが連携する。例えば、大規模農業ではドローンが畑を調査し、収穫時期を見計らって「自律的な刈り取り機」を出動させることが可能となり、宅配市場では配送地域への荷物の輸送に自律走行車を使用し、その上で、車両に搭載されたロボットやドローンが、配達先に確実に荷物を届けることができるようになる。

 「拡張アナリティクス」は、機械学習を使用してアナリティクスの対象となるコンテンツの開発/利用/共有方法を変革させる。例えば、人事、財務、営業、マーケティング、顧客サービス、購買、資産管理といった部門で、アナリストやデータサイエンティストだけでなく、あらゆる従業員の意思決定とアクションを、それぞれの状況に合わせて最適化できるようになる。

 「AI主導の開発」では従来、専門家としてのデータサイエンティストがアプリケーション開発者と連携する必要がある場合がほとんどだったが、今後はサービスとして提供される「事前に定義された」モデルを使用して、専門の開発者が単独で作業できるようになるという。ガートナーでは、2022年までに新規アプリケーション開発プロジェクトの40%以上において、AIが共同開発者としてチームに参加するようになるとしている。

 「デジタル・ツイン」は、現実世界の実体やシステムをデジタルで表現したものを指す。ガートナーでは、2020年までにコネクテッドセンサとエンドポイントの数が200億を超え、数十億のモノに対するデジタル・ツインが存在するようになると予測している。企業や組織は、まず単純な形でデジタル・ツインを導入し、その後、適切なデータを収集および可視化する能力を向上させたり、適切なアナリティクスとルールを適用したり、ビジネス目標に効果的に対応させたりするなど、時間とともに利用法を進化させていくだろうとしている。

 人が使用するエンドポイント・デバイスや、周辺環境に組み込まれたエンドポイントデバイスをエッジと呼ぶが、「エッジ機能の拡張」では、IoTによって、また集中管理型のクラウドサーバではなくエンドポイントの近くで処理を行うというニーズによっても強化される。そして今後5年間で、さまざまなエッジデバイスにおいて、処理能力、ストレージ、その他の高度な機能が強化されるとともに、専用のAIチップが搭載されるようになるという。長期的には、5Gの成熟に伴ってエッジコンピューティング環境が拡張し、一元化されたサービスとの通信がより堅牢なものとなり、遅延の低減、帯域幅の拡大に加えて(エッジで非常に重要な点として)1平方キロメートル当たりのノード数、すなわちエッジのエンドポイント数の大幅な増加をもたらすという。

 「イマーシブ・エクスペリエンス」は、従来のコンピューティング・デバイス、ウェアラブル、自動車、環境センサ、家電製品といった、人々の周囲に存在する多数のエッジデバイスにわたって、人とデジタル世界がつながり、人がデジタル世界を知覚する方法も変化していくという。

 分散型台帳の一種である「ブロックチェーン」は、信頼性と透明性を実現し、ビジネスエコシステム間における摩擦を軽減することで、各種の業界を再構築すると見込まれている。ガートナーでは、現在のブロックチェーンのテクノロジとコンセプトは未成熟であり、十分に理解されていない上に、ミッションクリティカルかつ大規模なビジネスオペレーションでは実証されていないとし、今後は完全なブロックチェーンソリューションへと移行していく態勢を整える必要があり、また、ブロックチェーン以外の既存テクノロジの利用を効率化および調整することで、同様の成果を達成できる可能性があることも認識すべきだとしている。

 「スマート・スペース」は、人間とテクノロジによって実現されるシステムがやりとりする物理環境またはデジタル環境を指す。今後は、人、プロセス、サービス、モノを含む複数の要素がスマート・スペースで組み合わさり、対象とする人と業界のシナリオ向けに、自動化されたエクスペリエンスが創出されるようになるという。

 「デジタル倫理とプライバシー」では、プライバシー、デジタル倫理だけでなく、顧客、ステークホルダー、従業員からの信頼という、広範なトピックに基づいて議論する必要があるとしている。究極的には、プライバシーに対する組織の姿勢はその組織の倫理と信頼に対する姿勢によって決定付けられるべきで、プライバシーから倫理へと軸足を移すことで、「コンプライアンスに反していないか」ではなく「正しいことを行っているか」が議論されるようになるという。

 「量子コンピューティング」は、亜原子粒子 (電子、イオンなど) の量子状態を基盤とする、従来とは異なるタイプのコンピューティング技術であり、量子ビット (キュービット) と呼ばれる素子として情報を表現するもの。量子コンピュータは、従来のアプローチでは複雑過ぎて解決できない問題や、従来のアルゴリズムでは解決に時間がかかり過ぎる問題の処理において、卓越した能力を発揮する。例えば、製薬業界では、量子コンピューティングを利用して原子レベルで分子間相互作用をモデル化し、新しいがん治療薬の市場投入までの時間を短縮できる可能性があるという。ガートナーでは、ほとんどの企業および組織は、2022年末までは量子コンピューティングについて学ぶようになり、2023年または2025年以降には、この技術を利用するようになるとしている。

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