さて、MaaSの各レベルにおいての機能や技術要素はどのようなものなのだろうか。
まず、レベル0については、既にさまざまな事業者が試行錯誤している段階だ。例えばカーシェア事業を開始する際、提供する車両を何台用意するか、車両をどのように運用するか、といった計画や管理が必要となる。これに関しては、機械学習による需要予測などの仕組みが有用といえ、さまざまな分野からの知見を生かしつつ各社の事業が運営されている。
レベル1となると、経路図や乗り換え案内など、モビリティサービスの横断的な情報提供が必要になる。清水氏はこの点について、「日本では古くから多くの事業者がサービスを提供しており、世界から見ても先進国といえる」とし、これら既存のサービスをどうAPI連携させるかが技術要素になると説明した。
レベル2では、予約情報や決済、チケット情報の共有が必要となり、API連携が求められてくる。しかし、APIに関しては各社とも機密となっている場合もある。清水氏は、「分散データベースやブロックチェーンといった技術が注目されるのでは」とした。
サブスクリプションモデルを導入するレベル3では、各事業者間で調整し、料金をどのように設定するかが重要となる。この段階では、設定を誤れば赤字になりかねないため、需給予測や収益シミュレーションが必要になってくると語った。
レベル4では都市レベルでの改革となるため、流動コントローラや流動シミュレーションといった取り組みが必要となる。例えば列車遅延時の代替手段案内を個人個人に通知し、人の流れをコントロールして混雑を緩和させる、といった都市改革が求められるという。
各レベルで必要とされる技術要素