ユニアデックスは11月7日、米Big Switch Networksが提供するオフィスネットワーク向けSDN(Software Defined Networking)の新製品「Big Cloud Fabric for Campus Core」の提供を開始すると発表した。
Big Cloud Fabricは、Big Switch Networksが開発したデータセンターネットワーク向けのSDN製品で、ネットワーク全体を1台の仮想的な巨大スイッチ(文字通りの“Big Switch”)であるかのように一元的に運用管理できることを特徴とする。ユニアデックスは、これまでもBig Switch Networksの国内代理店として同製品の展開に取り組んでおり、大規模データセンターなどでの導入実績を重ねているが、その中で、データセンターネットワーク以外のオフィス/キャンパスのネットワークでもSDNによる運用管理負担の軽減を求める声があったという。
システム構成イメージ。ネットワークトポロジはリーフ&スパインで、最小構成ではリーフスイッチ×2、スパインスイッチ×2の4台から構成可能だという
そこで同社は、Big Cloud Fabricのキャンパス・コア・ネットワークへの導入についても知見を積み上げた上で、Big Switch Networksに掛け合い、データセンター向けSDN製品と位置付けられていたBig Cloud Fabricからデータセンター向けの一部機能を省略することで約20%の低価格化を図った「Big Cloud Fabric for Campus Core」を製品化し、国内提供に至ったという。こうした経緯から、同製品の提供はグローバルに先駆けてまず日本でユニアデックスが提供する。
Big Cloud Fabric for Campus Coreでは、物理的なネットワークをいわゆる“ホワイトボック・スイッチ”として、Big Switch Networksの「Switch Light OS」を組み合わせたもので構築し、全体の運用管理を同じくBig Switch Networksの「Big Cloud Fabric Controller」で行う。Big Cloud Fabric Controllerは、物理アプライアンス版と仮想アプライアンス版の両方が用意され、ユーザーの要望に応じて選択できる。
ユニアデックス ビジネス企画推進本部 ビジネスソリューション企画部 コミュニケーションプラットフォーム企画室 マーケティングマネージャーの上水公洋氏は、「もともとBig Switch Networksの製品は、ネットワーク機器としてのネットワーク環境を構成するための機能や使い勝手、運用性といった部分の完成度が高かった。国内導入を開始した時点で、これならオフィスネットワークでも使えると評価していた」と語る。実際の案件で導入してみたことでノウハウや知見を得て、それ米国にフィードバックする形で今回のソリューションの共同開発につながっている。
Big Switch Networks チャネルアカウント部長の糸井恭太氏、ユニアデックス ビジネス企画推進本部ビジネスソリューション企画部コミュニケーションプラットフォーム企画室マーケティングマネージャの上水公洋氏、Big Switch Networks システムエンジニアの安田哲氏(左から)
今後両社では、SDN導入の効果が得られやすいユーザーとして、おおよそ500~数千名規模の組織、業種としては医療、金融、地方公共団体や一部製造業などをまず想定。SDN関連市場の活性化に取り組むとしている。