最近のWindowsとOfficeの機能や仕組みはどう変わったのか--マイクロソフトが解説

阿久津良和 2018年11月14日 06時00分

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 日本マイクロソフトは11月13日、最新のOfficeとWindows 10に関する勉強会を開催した。業務の生産性向上や多様な働き方を支援する製品として進化を続け、提供形態なども多様化しているが、勉強会では機能や特徴の変化などについて解説が行われた。

 まず「Office 2019」と「Office 365 ProPlus」の違いについて、Microsoft 365 ビジネス本部 製品マーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャーの広瀬友美氏は、「前者はオンプレミスの最新版だが、全ての最新機能を備えるのは後者。Office 2019はOffice 365 ProPlusに加わった320を超える機能を部分的に備える」と説明する。そのため、直近のOffice 365に加わったアイコンデザインの変更や、Outlookの新リボンなどはOffice 2019には反映されない。

Officeは従来のオンプレミス版とクラウドサービスの2種類が基本で、購入スタイルにより利用内容も変わってくる(出典:日本マイクロソフト資料)
Officeは従来のオンプレミス版とクラウドサービスの2種類が基本で、購入スタイルにより利用内容も変わってくる(出典:日本マイクロソフト資料)

 数多くの機能を備えるOfficeだが、キーワードは「チームワークの促進」「個々の生産性向上」になる。例えば、任意のプロジェクトで使用するWordの文書ファイルを複数のユーザーで同時に編集し、必要なら「OneDrive for Business」に自動保存した古いバージョンを取り出すこともできる。

 「Microsoft Teams」によるビデオ会議は、映像の背景をぼかすことで、他者に見られたくない情報を隠す機能を持つ。「Skype for Business」から「Microsoft Teams」への移行が既に始まっており、10月1日以降は500シート未満の新規Office 365テナントの場合、Skype for Business Onlineが含まれない。Microsoftは数年前にSkype For Businessのロードマップを提示していたが、Microsoft Teamsの登場で現状路線を選択したようだ。

 生産性向上の文脈では、表などからデータに対するインサイト(洞察)を得るExcelのインサイト機能、株価や地域情報をモーニングスターから取得し、セルに貼り付けるデータ挿入機能が目新しい。セル上のデータは、手動で現在の数値に更新することもできるが、今回の勉強会の時点では日本語へのローカライズが一部に限定され、「韓国」などはエラーとなる。この当たりは今後のバージョンアップで多言語対応することだろう。PowerPointは、以前からアドインで提供していた翻訳機能とは別に、右ペインから選択文章を翻訳する機能を搭載した。挿入した画像や箇条などをもとに、適切なデザインを提案するデザインアイデアなどを組み合わせれば、「ビジネスの本質的な部分に時間を割いて生産性を高められる」(広瀬氏)ようだ。

Excelのインサイト機能。作成したいグラフイメージなどが事前に提示される(同)
Excelのインサイト機能。作成したいグラフイメージなどが事前に提示される(同)

 他方でWindows 10については、バージョン1809(October 2018 Update)の提供の一時停止について謝罪しながら進ちょく状況を説明した。同シニアプロダクトマネージャーの津隈和樹氏は、「問題の特定と修正を終え、Windows Insiderコミュニティで検証中」と報告しており、間もなく再開されると見られている。Windows 10 バージョン1809では、特に法人向けの機能強化点としては「アップデートの改善」「新フォント」「Windows Hello for Businessの強化」「Windows Defender ATPの強化」の4つになる。

 まず、定期的な適用が求められる品質更新プログラムは、クライアントへのダウンロードデータが若干増加傾向にあるものの、Windows Server Update Services(WSUS)サーバなどを経由した場合は従来の8~11Gバイトから300Mバイトへ大きく削減された。これにより、メモリ使用率は40%、ネットワーク効率も合わせて改善する。モリサワがOffice用に最適化した「BIZ UD」フォントも興味深い。そして企業での利用には、「Windows Hello for Businessの強化」「Windows Defender ATPの強化」が重要になるだろう。同社は「パスワード入力、もう終わりにしませんか」というスローガンを掲げ、セキュリティの強化をWindows 10 バージョン1809に取り込んでいる。

Windows 10の更新はこれまでデータサイズの大きさが課題になっていたが、最新のOctober 2018 Updateから改善された(同)
Windows 10の更新はこれまでデータサイズの大きさが課題になっていたが、最新のOctober 2018 Updateから改善された(同)

 Windows Hello for Businessは、共有デバイスやMicrosoft Edgeのウェブ認証、リモートデスクトップ、Azure ADへのログインへも利用可能になる。津隈氏は、「出社してWindows 10にサインインし、社内のリモートデスクトップへのアクセスなど、一連の業務シナリオで利用可能」と説明した。

 Windows Defender ATPについては、これまで社内プロキシ内に限定していた“シャドーIT”の検出・ブロックを可能とする「Microsoft Cloud App Security(MCAS)」や、社内デバイスの機密情報の蓄積量やサイバー攻撃を受けた際の応答性を高める「Microsoft Information Protection(MIP)」などをサポートする。この他にも実行ファイルを対象範囲していた脅威の検知・修復をメモリにも広げ、Office 365 ATPと連携して標的型メールなどを通じて検出したマルウェアにマシンが感染していないか調査する「Office 365 ATPシグナルシェア」を提供する。

クライアントのウイルス対策では“OS標準”のWindows Defenderを活用する企業が増えている(同)
クライアントのウイルス対策では“OS標準”のWindows Defenderを活用する企業が増えている(同)

 Microsoftの「EDR(エンドポイントにおける検出と対応)」製品となりつつあるWindows Defender ATPだが、例えば、伊藤忠テクノソリューションズを通じてmacOSやAndroidなど他のプラットフォームも包括することが可能という。企業では、Windows 7 Services Pack 1やWindows 8.1もラインアップに並ぶが、「E5のダウングレード権を使って対応できる」(津隈氏)とのことだ。マイクロソフトのパートナー企業であるラックも、アラートと監視やPC隔離機能を取り除き、調査・分析とインシデント対応に限定した「マネージドEDRサービスLite for Windows Defender ATP」の提供を新たに開始した。「ATPの進化に合わせた安価かつ簡易的なサービス」(津隈氏)という。

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