金沢市企業局は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した業務効率化の試験導入プロジェクトを実施した。同プロジェクトを支援したアビームコンサルティングが発表した。
金沢市企業局はガス、水道、下水道、発電、工業用水道の5つの事業を運営する地方公営企業。「時間外勤務手入力業務」「インターネット受付情報印刷業務」「地図情報閲覧印刷業務」の3つの業務でRPA適用を進め、自動化を実現した。同局では、年間で約500時間分の削減効果を見込んでいる。
時間外勤務手入力業務では、各課の担当者が手作業で行っていた時間外勤務命令簿の読み込みから勤務管理システムへの入力、メール通知といった一連の業務をRPAにより自動化した。入力ミスや登録漏れを防ぐだけでなく、複数課・複数職員の情報を一度に登録することで業務時間の削減が可能となった。
インターネット受付情報印刷業務では、これまで担当者が行っていた水道・ガス使用に関する申し込み情報の紙媒体への印刷から申し込み件数の集計、申し込み情報の削除、関係者へのメール通知といった一連の業務を、RPAにより自動化した。また、申し込み情報の正確な管理も実現した。さらに、従来印刷物の紛失を考慮し即時削除できなかった情報を自動でPDF化することで、紙媒体ならではの業務を考慮した効率的なプロセスに変更を行った。
地図情報閲覧印刷業務では、手作業で行っていた工事実施場所周辺の地図情報の読み込みおよび印刷作業をRPAにより自動化した。これにより、複数工事実施場所の地図情報を一括で印刷できるようになり、業務の効率化と印刷漏れを防ぐプロセスを確立できた。作業頻度が高い手作業を中心としているため、本業務で培ったノウハウは同様の特徴を持つ他の課の業務への横展開も見込む。